2012年2月

⑬コーデリアさんと☆☆をつなぐマジカルダイアログ

時間通りに、若い女性がドアの前で待っていた。

真面目そうな芯のしっかりした女性にみえる。少し緊張もしているようだ。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム 『コーデリア』さん

・年齢 23歳  ・女性  ・未婚  ・銀行員

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「こんにちは」と挨拶を終えた後、コーデリアさんは堅い表情のまま黙りこんでいる。

私達もコーヒーをすすめ、天気の話しなどしながら話し易い雰囲気をつくっていく。

意を決したようにコーデリアさんが話し始めた。

「私、なんだか職場でしっくりなじんでないような気がして…

それをどうしたら良いものか最近悩んでいるんです。」

あずがコーデリアさんの雰囲気にあわせながら静かに聞く。

「しっくりなじんでいないって、どういう感じなんですか?」

「そうですね。別に口をきいてくれないとか、いじわるをされているとかという事ではないんです。

ただ…何か皆との間に壁があるような気がして。」と考えながらコーデリアさんが答える。

「それはどんな時に感じるんですか?」とゆずが優しく微笑みながら尋ねる。

「あ~thinkどんな時……

そうですね。仕事中は別にいいんです。ただ仕事をこなしていればいいので。

仕事と仕事の合間とか、お昼時とか 同じ課の人とお食事に行っても

普通にお話しをするんですよ。 でも、ふと気がついたんです。

同期の子が同じ課にいるんですけど…

彼女が話しをしていると周りの皆も楽しそうで、話しが弾むんですよね。

皆がリラックスしているように見えるんです。

それに比べると、私がおしゃべりしていると皆のあんな笑顔みられないなと思って。

どこが違うのかがよくわからないんですよね。」と一気に話しだした。

「じゃあ、コーデリアさんは同期の彼女のようになりたいということですか?」とゆずが聞く。

「…う~ん。そういうことなんでしょうか?」と困ったような顔をして考え込むコーデリアさん。

 

~ゆず&あずのテレパシートーク(心の中での会話)~

あず「コーデリアさんは、とても真面目で頭の良い方なんだわね。」

ゆず「そうね。こちらの質問にも一生懸命考えて答えてくれて。」

あず「そして、周囲の人のことも思いやる優しい人なのね。」

ゆず「本当ね。そうでなきゃ、皆の笑顔がとてもいいなんて感じられないし、

どうしたら皆のあんな素敵な笑顔を見られるんだろうって考えて悩んだりしないもの。」

あず「コーデリアさん 素敵な人ねえ。」

ゆず「当たり前よ~。その素敵なコーデリアさんを皆にわかってもらう方法を教えなきゃね。」

 

※ ・ ・ ・ ※ ・ ・ ・ ※ ・ ・ ・ ※ 

ゆずが続けて話す。

「コーデリアさんは、多分こんな風に感じているんじゃないですか?

私は私なりに人と接していきたい。

同期の彼女みたいでなくていい、ただ皆と心地の良い関係になりたいって。

ちょっとオーバーかしら?」

「はい!そうです。『あの人と話していると楽しいな。』って思われたいんです。」と

顔を真っすぐにゆず&あずの方に向けて明るく答えた。

 

「じゃあ、そうなっちゃいましょ。」とあずが笑顔のまま言った。

「人と話しをする時って何が大事だと思いますか?細かいことでいいですよ。」

「まず…人の目を見て話す…人の話しをきちんと聞く。人の話しの腰を折らない?」と

コーデリアさんが答えた。

「あらあhappy01全部出来ているじゃないですか!」

「そう、そして全部正解happy01」と二人で拍手をした。

「え~そんなあ、褒められるほどのことではないですよ~」と

恥ずかしそうにコーデリアさんがうつむいた。

「そんなことないわ。それらが出来ていない人って結構多いんですよ。」

「そうそう!その基本があるんだもの。次に進むのは簡単よ。」

「次ですか?」とコーデリアさんが期待するように二人を見る。

 

あずが微笑みながら話しだした。

「会話って…例えば、

ゆずが話すとコーデリアさんが聞いて、今度はそれに答えてコーデリアさんが話す…

という繰り返しでしょ。いわば、キャッチボールみたいなものだから。

そこで真剣に聞いているのは大事だし、

『わかる、わかる』と共感しているのも大事なんだけれど

自分の意見を言うのも大切なことなんですよ。」

続けてゆずも話す。

「だって、自分の意見というか、自分のことを話すことで

コーデリアさんがどんなことを考えているのかとか、

どんなことをしてきたのかとかわかるでしょ。あなたの人となりがわかるってことよね。」

「これを自己開示っていうのよ。

ただ、仕事の合間やお昼時にそんなに深刻なことを人様にお教えしなくていいのよ。

会話をしている時って、何を考えているのかわからないっていうのが一番困るじゃない。

そうだと思っているのか、違うと思っているのか、わからないって思っているのか。

そんな程度のことがわかればいいのよね。

「そうですね。

そう言えば、こんなこと言ったら笑われるんじゃないかとか、

こんなこと言う必要ないんじゃないかとか考えて

黙って聞いているだけの時も多い気がします。」

「本当にコーデリアさんって素敵な人ね。そんなに人のことを思いやっていて。

でもコーデリアさん思い出して!

同期の子が話している時、みんないい笑顔しているんでしょ。

彼女が笑われるようなこと言っているのかもしれないわよ。

それに人がちょっとドジな事をしたほうが、周りの人もリラックス出来るものだしね。

コーデリアさん 仕事はきちんと出来ているんだし、尚更ね。」

 

すると、コーデリアさんがハッとしたように言った。

「そうかあ!壁があるんじゃなくて、私が壁をつくっていたんですね。」

「まあ、そんなことに気付いたんですか!

やっぱりコーデリアさんは頭がいいのねえ。すごいわ!」とゆずが感心しように言った。

「では、少しずつ魅力的なコーデリアさんを人前にさらしちゃいましょ。」

「もう一つ気づいちゃいました!」といたずらっ子のような顔をしてコーデリアさんが言う。

「私、うらやましかったんです。同期の彼女が。それが分かった気がします。

彼女のコミュニケーションのとり方を見てちょっと勉強しちゃいます!」

「もう なんて素敵なの。」ゆず&あずが同時に叫んだ。

「そうよ。人のいいところはドンドン頂いちゃいましょ。あなたの魅力が倍増しちゃうんだから。」

「コーデリアさんの真剣に話しをきいたり話したりする様子や、

わからないという不思議そうな顔、さっきみたいにいたずらっ子のような可愛い顔、

納得した時の笑顔 どれも素敵なコーデリアさんを見せていただきましたよ。

それこそ自己開示。周りの皆にも見せてあげてください。」とあず。

「自分が壁を取り除けば、壁なんてなくなってしまうんだから。でも、忘れないでくださいね。

あまり無防備にならないように。壁も大事なんですよ。」とゆず。

「ありがとうございます。元気もでちゃいました。」

ふっきれた笑顔を見せてコーデリアさんは

「また、わからなくなったら、お邪魔しますね。」と椅子から立ち上がり帰っていった。

 

コミュニケーションは、

大切な人達とわかりあいたい・相手の笑顔を見たい・本当の自分をわかってもらいたい

というところから始まる。

その練習をするには、人となるべく関わることだ。傷ついたり、傷つけたりもあるだろうけれど…

でもその前に自分の中にいる別の自分との会話になれておくのが

一番リスクがないかもしれない。

いつの間にかコミュニケーションのとり方が上達してしまうのだから…

 

dangerこの物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

⑫エルさんと☆☆をつなぐマジカルダイアログ

セラピールームのドアを開けると、不安げな瞳をこちらに向けた30代後半の女性が立っていた。

「初めまして、私はゆずと申します」「私はあずと申します」

そんなお決まりの自己紹介をしながら笑顔でお客様の緊張を解いて行く。
 
 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム『エル』さん

・年齢39歳  ・女性  ・既婚  ・子供1人(小6)  ・主婦

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「私・・・子育ての事で悩んでまして・・・」 エルさんは唐突に話し始めた。

エルさんの話によると、

ご主人がいわゆる体育系で、一人息子を強い子に育てたいという希望を持っている。

だからエルさん自身も不本意ながら、子供を甘やかさないようにと心を鬼にして躾けて来たそうだ。
 

しかし息子が11歳のある日、高熱でうなされた事があった。

エルさんが優しく声をかけると、「うわ~っ鬼だ!こわ~い!」と息子が急に泣き叫んだ。

「お母さんが鬼になっちゃったぁ」と泣きわめく我が子をなす術もなく、ただ茫然と見つめていたそうだ。


「いくらうなされていたとは言え、もうショックで・・・」そう言うとエルさんの目から涙が溢れ出した。

なおもエルさんは続ける。

「そんな事がきっかけで私は親と子のコミュニケーション術を学ぶことにしたのです。

ところが、学べば学ぶほど、私の子育ては間違えだらけだったと・・・」そう言うと、また涙を拭いた。

「私は取り返しのつかない事をしてしまいました。

息子にどう謝ったら良いのか・・・そう思えば思うほど、自分を許せなくなって来ちゃって・・・」
 

「そんな事があったのですか」深刻そうにあずが呟いた。

「やり直したくても、きっと間に合わない・・・そう思って落胆されてしまったのですね」

ゆずも静かにエルさんの顔を覗き込むように言った。



~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「実は私も・・・同じような経験があるので心が痛むのよね」

あず「そうだったわね。でもだからこそ、大丈夫!間に合うって事も分かるでしょ」

ゆず「そうだわね。それにはまず、自分を責めるのを止めさせなくては」

あず「ええ。過去に戻れない事をどんなに嘆き続けても変えられないし・・・」

ゆず「それに、嘆いている間は時間が止まってしまうから先へは進めないのよね」

あず「そう。大切なのは今から先、どうしたら良いかって事だものね」

ゆず「そして、解決方法があることも私たちは知っている!」

あず「それじゃぁ、早くエルさんに教えてあげましょうよ」


※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※

あずが言った。

「エルさんが今、過去に戻れたらどんな風に子育てを始めたいですか?」

「まず・・・しゅん君、あ、息子の名前なんですけど、息子の身になって話をじっくり聞いてあげたいです。

私はいつも話の途中で『それはダメ!』とか『何故そんな事をしたの?』とか、

つい言ってしまうものですから・・・ だから息子はあまり話さなくなってしまって」

そう言うと、エルさんはまた、ハンカチを口に当て嗚咽を漏らした。


「どうして、もう取り返しがつかないと思われたんですか?」

ゆずがわざと冷静な口調でそう聞いた。


「だって・・・しゅん君はもう小学6年生なんですよ。もう思春期でしょ?

私が厳しく育て過ぎてしまったものだから、しゅん君の心には壁が出来てしまったと思うんです。

親に失望してしまったでしょうし・・・男の子だからこの先どうなるのでしょう?

それに・・・私、本当はもっと可愛がりたかった・・・優しく味方になりたかったのに、もう遅いんです」

エルさんはとても苦しそうな表情になって尚も泣き続けている。

時間を取り戻せない現実に絶望しているようなエルさんを見ている私たちも心が苦しい。


少しの間をおいて、エルさんの気持ちが落ち着くのを待ってあずが口を開いた。

「ねぇエルさん?『もう過去へは戻れない。私は何て事をしちゃったのだろう』って、

ご自分を物凄~く責めているように感じるんですけど、そうですか?」

「はい、もちろんです!もっと早く勉強していればよかったのに私ったら・・・」
 

「なるほど・・・ エルさんが、もしやり直せるなら、

『話をじっくり聞いてあげたい』『もっと優しく接したい』『味方になりたい』のだけれども、

昔に戻れないから、もう出来ないって事ですよね?・・・果たしてそうなんでしょうか?」

「???」

「それらは全て、今からでも出来る事ではないですか?」

一瞬、間をあけて、エルさんはハッとしたように顔を上げ、あずを見た。
 

「私たちって皆、何かを失敗したときには過去からやり直さないとダメだ!と思ってしまいがちですが、

それらのほとんどは、実は今から始めれば間に合うんですよ。

それに厳しい事を言うようですが、

過去を悔いて嘆いたり自分を責めていると、その間だけは時間が止まってしまうのです。

そうすると、やり直して未来に進む事が出来なくなってしまいますよね」
 

「どういう意味ですか?」エルさんの目が真剣に訴えている。

「エルさんがご自分を責めている間は、しゅん君との間を修復することが出来ないって事です」

「それって・・・まだ間に合うって事でしょうか?」

「もちろんです。充分に間に合いますよ」あずが力強くエルさんに答えた。


「それに・・・しゅん君はまだ生きてるんですよ!」今度はゆずが茶目っ気タップリに言って笑った。

エルさんもつられて、チョッピリ口元がほころんだ。


エルさんの表情が和んで来たのを見て、ゆず&あずはゆっくりと説明を始めた。

「まず自分を泣くほど責めるエルさんは、別の角度から見ると“それだけしゅん君を愛している”という事です。

そして正しい方法が分かれば最善を尽くそうとなさる方です。」
 

「そして私たち人間は時々間違えるし失敗もします。

でも心根が間違っていなければ・・・つまり、

しゅん君を愛する気持ちに偽りがなければ、それは相手に必ず通じるのです。

しゅん君はお母さまの愛を分かっていますよ。」

エルさんの表情が更に和んだ。


「エルさんが間違っていたと思ったのなら、今日から変えれば良いのです。

良い効果的な方法を手に入れたのなら、どうぞ今日からなさって下さい。

良い方法があるのに、それを実行せず嘆いてばかりいられるのと、何はともあれ、

今日から素敵なお母さまに変わり始めるのと、エルさんだったらどちらの方が嬉しいですか?」

「あ!それはやっぱり・・・今日から良いお母さんになって欲しいです」

はにかみながらエルさんが答えた。


2人もエルさんに『でしょ?』というように笑いかけると更に続けた。

「子供ってありがたいものです。どんな親でも求め続けてくれるんですよね。

心で謝りながら良いお母さんに変わろうとすれば、それを素直に受け入れてくれる存在なのです。

それに・・・心の治癒力、回復力って私たちが考えているより早くて強力なんですよ」

エルさんは黙って頷きながら聞いている。


「今日から是非、実行に移して下さい」

「エルさんがしゅん君にしてあげたかった事を全部、今日からしてあげましょう。

そうすればエルさんが望んでいる親子の関係が実現しますよ」
 

「私、今はっきり分かりました!」エルさんの瞳が輝いている。

「過去より今が大切だって事ですよね? それに・・・ありがたいことに息子は生きている!」

今度はエルさんが悪戯っぽい目をしてそう言ったので、3人とも顔を見合わせて笑った。

そして、心の通じ合った暖かい空間が部屋いっぱいに広がった。


最後に、真顔に戻ってあずが言った。

「でもね、ときに親として厳しい事を言うのも大切ですよ。

エルさんの大切にしている価値観・・・ものの考え方や生き方など、

そういうものは例え子供とケンカになってもしっかり伝えるのが親の役目だと思うのです」
 

 更にゆずも続ける。

「そのためには、まずエルさんが自分を信頼していなければ出来ませんよね?

だからこそ!まずは自分との味方トーク・・・“マジカルダイアログ”を是非お勧めしたいのです」
 

それから2人はマジカルダイアログのやり方を教えて、その日のエルさんのセッションを終えた。

 

 danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

⑪そよ風さんと☆☆をつなぐマジカルダイアログ

笑顔の優しい女性が、にこやかにドアの外で待っていた。

予約の時間通りだ。「初めまして…」と挨拶をしながら部屋の中へ招き入れる。

 

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム 『そよ風』さん

・年齢 42歳  ・女性  ・既婚  ・自営業

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 落ち着いた雰囲気で、温かみのある優しいお母さんという感じがするそよ風さんは、

ゆっくりと話し始めた。

「今日は、子供のことがよくわからなくなってしまって…どうしたら良いのかと思って伺いました。

子供は、中学2年生の男の子と小学5年生の女の子が二人なんです。」

「どんな風にわからなくなってしまったんですか?」と心配そうにゆずが聞く。

「特に息子の方なんですけれど…」とそよ風さんが少し考えながら言う。

「学校のことを聞いても『うん。』とか『あ~。』とかしか言わないし、友達のことを聞いても

『そう。』とか『まあね!』としか言わないんです。」

今度はあずが聞く「それは、そよ風さんとしては、心配になってしまいますね。

もっと小さいころからあまりお話しないお子さんだったんですか?」

「いいえhappy01何でもよく話してくれる可愛い子だったんです。

学校であったことを聞けば、今日はこんなことをしたとか…

友達のことを聞けば、こんなことを言うんだとか。」

軽くため息をつきながら、そよ風さんは続ける。

「中学生になると男の子は何も言わなくなるというから仕方ないんでしょうかね。

どのご家庭もそんなものなんでしょうけれど…

でも、これから受験も控えているし悩み事なんか出てきたら困ってしまうだろうと思うし。」

ゆずが聞く。「そよ風さんは、どのようにお子さんとの関係を築けたら理想的だと思いますか?」

「そうですね…何でも気楽に話しを出来る関係でしょうか…どんな事でも相談してくれるとか…」

と そよ風さんが答えた。

 

~ゆず&あず テレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「中学生って、色々大変な時よね。大人と子供の境目にいて、

初めての試練ともいえる受験も控えているから…」

あず「本人も訳がわからず、モヤモヤしちゃうし…そんな気持ちを親にも伝えようがないしね。」

ゆず「それを見ている親もやきもきしちゃうしね…」

あず「でも、質問ばかりされていると『え~ぃ!うるさい!』という気分になってしまうわね。」

ゆず「もちろん、毎日何をしているのかも気になるところだけど。

そよ風さんは、息子さんが悩んだ時に相談にのりたいのよね。」

あず「そう、いざという時に助けたいということよね。」

ゆず「その大事な時に話しをしてくれるようになるにはどうしたらいいのかということね。」

あず「そよ風さんは、たっぷりとお子さん達に愛情があるんだものスグに出来るわよ。」

ゆず&あず「そうね。子供との心地よいコミュニケーションがね。」

 

※ ・ ・ ・ ※ ・ ・ ・ ※ ・ ・ ・ ※

あずは、ニッコリとこんな風に話しだした。

「コミュニケーションって、会話のキャッチボールですよね。

何かを尋ねたら、それに応えてくれて、相手が又何かを尋ねて、それに応える。

でも、それとは別に言葉を使わないコミュニケーションもあるんですよ。

態度に表われるとか、表情に出るとか、ありますよね。」

そよ風さんがためらいがちに答える。

「ええ。そうですよね。息子に『あ~』とか言われると、『うるさい!』と言われている気がします。

そうすると、『ふざけるんじゃないわよ!』と一人で頭にきちゃったりして、

もちろん口にはだしませんよ。でも目の前にいる内に聞こうと思って

『じゃあ、これはどうななの?あれはどうなっているの?』みたいに

次から次へと質問したりして、結局 うざい みたいな態度とられたりするんですよ~」 

ゆずは微笑みながらこう聞いた。

「そうですねえ。言ってくれないから 余計 根掘り葉掘り聞きだしたくなりますよね。

そよ風さんは、お子さんに何が起きているのかを知りたいだけですか?」

「それは、どんなことに巻き込まれているのかとか、学校で何をしているのかとか、

友達と上手くやっているのかとか知りたいです。」と少し早口でそよ風さんは答えた。

「でも、その出来ごとと共に、彼はその時どんな気持ちだったかとかどんな風に解決したのか

とかも知りたいですよね。」とあずが真剣に聞く。

「それは、もちろんです。」

 

「例えば…」といたずらっぽくゆずがそよ風さんに切り出した。

「息子さんが『今日学校で○○くんが先生にメチャクチャ怒られたんだよ。』と 奇跡的に

話してくれたらそよ風さんはどんな風に返事をしますか?」

しばらく間があって、そよ風さんは答えた。

「あなたは、一緒に怒られたの?かしら~」

「そうですよね。心配ですものね。家の子まで怒られたら可哀そうですものね。」

「でも、そんな時に返ってくる言葉って『いいや』とか『なんでそんなこと言うんだよ』とか

『関係ないだろう』とかでしょうか。」とあずがゆっくりと話しだす。

 

「会話ってさっきも言ったようにキャッチボールですものね。

人が話しをしたら、まずは『確かに聞きましたよ。』という合図が必要なんですよ。

息子さんから『○○くんが怒られた。』という事を聞いたら、

『そんなことがあったのね。』とまずは受け止めるんですね。

それからこの子は何が言いたいのかなと考えながら話すといいんですよ。

だからって自分の言いたいことを抑えなければいけないわけではないんです。

聞きたいことは聞いていいんです。

心を開いて話して欲しいという場合は、まずは、自分の心を開くことなんですよ。

ただ、言い方の問題というか本当に言いたい事を言うことです。」

 

「何だか難しいですね。」と当惑気味にそよ風さんが言う。

それを聞いてゆずが励ますように話しだす。

「頭で考えていると難しいかしらね。 でも、大丈夫good

子供の価値観って90%は親から受け継いでいるのだから、分かりあえるんですよ。

じゃあ、何で『あなたは一緒に怒られたのかしら?』と聞くかなと思ったんですか?」

そよ風さんは、絞り出すようにこう言った。「う~ん…そんなことになったら大変だから。」

あずも聞く。「何が大変なんですか?」

そよ風さん「…内申にも響くし、先生に嫌われたらまずいでしょ。」

「ということは、そよ風さんは、心配しているんでしょ。」とあず。

「そうです!そうです!」とそよ風さん。

「では、そこのところを息子さんに伝えないとね。

『そんなことがあったの、あなたも一緒に怒られたんじゃないかと心配しちゃったわ。』とか。」

「なるほど~」と感心したようにそよ風さんが頷いている。

 

それを見ながらゆずが優しく言った。

「まあ、本当にあった話しじゃないから 難しいですよね。

ただ、気持ちを話したほうが、相手には通じますよね。

それを繰り返していくうちに皆が自分の気持ちを語ってくるものなんですよ。」

あずも続ける。

「いざという時に、それが出来るようになるには、普段の時にやっておくことなんです。」

「普段の時?」

「えぇ!テレビを見ている時でも、食事の時でもいいんですよ。

『これ面白いね。』『楽しいね。』『いやねえ。』とか『あなたどう思う。』とか」

「意見が違ったっていいんです。

わかって欲しいのは、いつでも私はあなたの話しを聞く準備があるし、

いつでも味方だよっていうことが伝わればいいんです。

そうすれば、子供が本当に困った時には自分の味方のところに助けを求めにくるもの

なんですよ。」

「子供は生まれた時からじ~っと母親だけを見つめてきているのだから、

母親の感情には敏感なものですよね。

特に嘘をつかれているとわかってしまうものなんです。

だから、どんなに憎たらしいことを言っても、愛されていると感じることの出来ている子供は、

母親は味方だと心底わかっているのでしょうね。」

 「でも、それを証明するにはやっぱり言葉なんですよね。

普段から自分の感情を正直に話していれば、愛していることも嘘じゃないんだなと

理解できるんですよ。」

「親が子供に話す時って、意見を言う時とか・注意をしたい時とか・

どちらかというと上から目線になってしまいがちですよね。」

「スゴイとか、上手いとか優しいとか 心からほめることも沢山伝えてあげると

温かい雰囲気がただよいませんか?」

「自分の子供には、よりよくなって欲しいと思うから注意するべきところばかりに

目がいってしまうのでしょうけれど…」

「こんなに素敵なところが沢山あるわよと教えてあげるといいですよね。」

とゆずとあずが交互に話す。

 

「私、子供たちを愛していることには自信があるんです。」と胸を張るようにそよ風さんが言う。

「じゃあ、大丈夫scissors 話しを整理しましょうか…

まず 1つ目 話しを聞く時は、受け止めることから です。

そして、2つ目 何気ない日常の時に普通の会話をしておくこと。

3つ目 会話には、『嬉しい』『楽しい』『心配だ』とか感情もいれること。

最後にもう1つ 人の心を開きたい時は、まず自分の心から開くこと、ですね。」

「どうですか?出来そうですか?」とあずが聞く。

「普通の会話をしていけばいいとお聞きしたら、明るい気分になりました。

息子の良いところも沢山みつけて褒めてやりたいと思います。」と微笑むそよ風さん。

 素直で明るいそよ風さんのご家庭が目に浮かぶようだ。

きっと益々よいお母さんになるのだろうなと思いながら、二人で後ろ姿を見送った。

 

親は、子供の悪いところに気が付いたらそこを指摘して矯正しなければいけない

と思うのも当然だ。それが自分に似ているところで、それで苦労してきたところなら

尚さらだ。でも、学校や友達関係の中で本人が嫌というほど分かっていることならば…

せめて家の中では他人には気づいてもらえない長所を探してほめてあげて欲しい。

ほめられて育った子供のほうが、のびのびと育っていくのだからshine

 

dangerこの物語はフィクションであり,登場人物も含め、全て実在するものではありません

⑩リッキーさんと☆☆をつなぐマジカルダイアログ

shineマジカルダイアログ・・・魔法の対話shine

言葉って不思議です。

生まれて物心ついた頃から自然に話せると私たちは信じて来ました。

でも、傷つくのも傷つけるのも、喜ぶのも元気になるのも“言葉”による事がほとんどです。

だからこそ、より良い関係を築くために私たちは『マジカルダイアログ』を提唱したのです。


Step1 は、自分に信頼を取り戻すマジカルダイアログでした。

今日からは、Step2 『他者との間の絆を深めるマジカルダイアログ』に移ります。

自分を信頼出来るようになったら、次は『自分にとって大切な人』との間に魔法をかけましょう。

自分とでも他者とでも、信頼と愛が大切なのに変わりはないのですから。


☆ heart01 ☆    ★ heart01 ★    ☆ heart01 ☆   

「お久しぶりですねリッキーさん。お元気でしたか?」

「はい、お陰様で。ママたちもお変わりありませんか?」

リッキーさんとの再開を懐かしむ、そんな会話からセッションは始まった。 

以前、ほのかに漂っていた暗い雰囲気は影を潜め、

明るく表情豊かに変身したリッキーさんは、更に魅力的な女性へと変貌を遂げていた。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム『リッキー』さん

・年齢35歳  ・女性  ・未婚  ・会社員

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「あれから私、就職先も無事決まって安定した生活が出来るようになったんですよ」

「まぁ、それは本当に良かったですね」

以前、いらしたときのリッキーさんの暗い顔が瞬時に私たちの脳裏に蘇って来た。

それと同時に、いえ、だからこそ!

今、目の前で穏やかな笑みを浮かべているリッキーさんを見て、心から喜ぶ私たちだった。


「ですが・・・」そう言って、言いよどむリッキーさんの様子に2人は我に返った。

「どうしましたか?」

「はい・・・。私も仕事に慣れまして・・・で、後輩を指導したり面倒を見なくちゃいけなくなったんですが、

私、上手く出来なくて・・・」

「上手に出来ない?」あずが少し心配そうに聞いた。

「例えばどんな事ですか?」ゆずも真剣な顔でリッキーさんを見た。
 

「例えば先日も・・・ あ、私相談を受けることが時々あるんです。

後輩の話は聞いてあげなきゃいけないかなぁと・・・相談に乗るのはいいんですが、

最近、何て言うか・・・愚痴が多くなっちゃって・・・」

 「あぁ、愚痴は何度も言われると聞く方も辛くなって来ますよねぇ」

「ええ。普通になら別にいいんです。だけど最近は毎日、常に誰かの悪口を言って来る子がいて・・・

もう、聞いてるこっちも気が滅入るし、言っても仕方ない事を言い続けるより、

もっと仕事頑張れよ!みたいな事を言いたくなっちゃうし・・・

私、どうしたらいいんでしょうか?このままじゃ私まで耐えられなくなりそうで・・・

ママ達ならどうするのかな?って思って・・・」



~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「愚痴や悪口をそのまま受けて聞いちゃうと参っちゃうわよね」

あず「そうそう。私も昔はリッキーさんと同じような事を思ってたなぁ」

ゆず「うふふ、私もよ。じゃぁ、早速そこを解決する方法を伝授しましょうか」

あず「ええ。それに実はリッキーさん、すでに上手に話が聞ける筈なのよね」

ゆず「そう、マジカルダイアログで自分相手にたくさん対話をして来たんだから」(笑)

あず「リッキーさん、その事に気づいてないのよね」

ゆず「では、その辺から始めましょうか」



※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※

ゆずが言った。

「リッキーさんの滅入る気持ち、それはもっともだと思うわ。誰だって愚痴は出来れば聞きたくないもの」

「ええ。でもママ達はお仕事がら、聞く事多くないですか?」

「多いですよ。」悪戯っぽい表情で笑いながらゆずが答えた。

「そんなとき、どうしているんですか?」

「う~ん・・・私たち、そんなときは“愚痴”だと思って聞いてないの」

そう言うと、ゆずはあずを見てニコッとし、二人はうなずき合った。


「愚痴だと思って聞いてない・・・ですか?」

「そうなの。愚痴って嫌なものっていう印象があるでしょ?

でも本当は、何らかの期待がなきゃ愚痴って出て来ないものなのよ」

「え?」

あずもうなずきながらリッキーさんに説明する。

「そう。例えば『あの上司がまた嫌味を言って来たからムカつく』って言ったとするでしょ?

愚痴だってとらえると、またかよ~って思っちゃうけど、本当はこの人、

『嫌味じゃなく、もっとストレートに注意してくれれば私だって素直に反省するのに』って

思ってるのかも知れないわよね」

「あ~なるほど」

「だから、この人ホントはどう感じて、どう言って貰いたいのかしら?って思いながら話を聞いていると

イライラはしないの」

「そ~なんですか・・・でも難しいですね」釈然としない様子でリッキーさんがつぶやいた。

にっこりリッキーさんにうなずくと、今度はゆずが話し出した。

 
「ほら、思い出して。リッキーさん、マジカルダイアログで自分との対話をいっぱいして来たでしょ?

一人のときは愚痴も悪口も言ってたと思うんだけど、そんな時はどう対処してたの?」

「ああ、そう言えば・・・。

そんなときは、ママ達に教えられた通り、自分の味方になって話を聞いていましたね」

「そうよね。じゃぁ、さっきの例え話だったとしたら、どんな風に自分に返してあげた?」

「う~ん・・・『あ~、嫌味言われると嫌だよねぇ』とか・・・」

「そう!それよ!!」突然ゆず&あずが指をさして嬉しそうに言うものだから、

驚いた顔をしてリッキーさんが2人を見た。
 

「そう、相手にもそう言ってあげればいいんじゃない?」

「あ!そうか!自分に言っていたように人にも言えばいいんですね。

・・・でも、そんな事を繰り返していると、益々言って来ませんか?悪口・・・」

「それは1つだけ注意していれば大丈夫」

「1つだけ??」

「あのね、一緒に盛り上がっちゃダメなのよ。

自分との間だったら問題ないんだけど、他人の話を、しかも愚痴や悪口を聞いている時に、

一緒に盛り上がっちゃうと同じ気持ちなのかな?って誤解されちゃうでしょ。

そうすると、そこからトラブルに巻き込まれちゃう危険も出て来るし・・・

あくまで『あなたはそう思っているのね』って自分との間に線を引く事が大切だわね」
 

「難しそうだなぁ。具体的にはどう言うんですか?」

「さっき、あなたが言ったみたいに『嫌味は言われたくないわよね』とか、

『〇〇って言われたから凹んじゃったんでしょう』みたいに話すといいかもね」

「ようするに、非難なしの味方トークをする事には変わりないけれど、他人とだから、

分かり合い過ぎないって言うか、盛り上がり過ぎないようにするのがコツかな」(笑)

「あ~なるほど!少し分かって来ました」ようやくリッキーさんの顔が笑顔になった。


「あなた、気づかずに今までも『味方トーク』周りの人にやっていたんじゃない?」

「そう言えば・・・私段々相談されることが多くなって来ちゃって・・・

『あなたに話すとすっきりする』とか言われるようになって・・・そう言われれば私も嬉しいから

人の話をよく聞くようになったんだと思いますが、でも愚痴を聞くのも多くなってきちゃったんです」

「そうでしょうね。自分との対話が上手になると、自然と他人の話を聞くのも上手になるものなのよ」

「へ~そうだったんですか。ちょっと嬉しいかも」そう言ってリッキーさんはペロッと舌を小さく出した。


リッキーさんの表情が和らいだのを見て、2人は話を整理することにした。

大切なのは・・・

1.まず自分との対話をするのと同じように、人の話も基本“味方トーク”で聞く。

2.愚痴や悪口は、『どう言われたかったのか』『何故傷ついたのか』に注意を向けて聞く。

3.愚痴や悪口に同調し過ぎて一緒に盛り上がらないで、あくまで『あ・な・た・が』を肝に銘じる。
  同調し過ぎて盛り上がると楽しいけれど、トラブルに巻き込まれる危険もあるから。
  嬉しい事は一緒に大いに盛り上がり、愚痴や悪口には少し距離を持って冷静にが基本。

「こんなところかしらね」

2人はお互いに確認し合うとリッキーさんに「どうですか?」という様に目で合図を送った。


「なるほど、分かりました。」リッキーさんは答えると、すぐにまた続けた。

「上手く出来る自信はありませんが、明日からやってみようと思います。

考えてみたら、自分との対話だって最初は上手く出来なかったんですものね、私」

「そう。その調子!」

あずが元気にワザとそう言うと、3人は楽しそうに声を上げて笑い合った」 

 

danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

ゆず&あず の Tea Break ①

今回は、ゆず&あずのおしゃべりタイムですgemini

 

あず「悩みを抱えてくるお客さまは、傷ついていてそのことに気づいていない人も多いわよね。」

ゆず「どちらかといえば、自分で自分を責めている人が多いわ。」

あず「そう、だからまずマジカルダイアログでヒーリングをすることが必要なのよね。」

ゆず「自分のことは自分で十分わかっていると思うんだけど、

実は、わかってあげるのでなく、どうしたら良くなるのかまず考えてしまう。」

あず「自分以外の人にもそうだけれど、

泣くのは見たくないとか、これ以上言ったら大変なことになるとばかりに

苦しい事は言わなくていいからと言って、本当の気持ちをおさえこんでしまうのね。」

 

ゆず「でも、ここのところはわかって欲しいんだけれど…

マジカルダイアログで自分をヒーリングだけするだけでいいわけじゃなくて、

次のステップに進むプロセスのためのマジカルダイアログなのよね。」

あず「そうなのよねhappy01

自分の味方をしてくれると嬉しくていつまでもなぐさめて欲しいなんて思ってしまうんだけど、

そうすると中々前進は出来ないわね。自分の体験に基づいて言ってるんだけれどcoldsweats01

ゆず「わたしもよ~bleah

でも、自分の心を整えなければ、先に進めないのは事実だから、

ここはシッカリとやって欲しいところでもあるしね。」

 

あず「マジカルダイアログは簡単に出来るようなんだけれど…

実は、家に帰って一人でやってみると難しいってお客様はおっしゃるわね。

最初は自分の味方をしているんだけれど、頭のいい私たちには、

『そんなこと言っていていいの?』とか『またまたわざとらしい?』

なんて余計なおしゃべりが割って入ることが多いのよね。」

ゆず「それも全て自分の思いでもあるのだから、いったん受け止めることが大切ね。

『そうかあ、そう思うよね。』と気持ちをわかってあげるだけでいいのだけど。」

あず「気持ちをわかってあげると、負けてしまうと思うみたいね。

わかってあげて、『でも私はこうなんだ。』と主張して、

また 反論がきたら、その気持ちを一端受け止めてから、自分の意見を言ってと

自分の中で話し合いをして欲しいんだけれど…慣れないと難しいのは確かよね。」

ゆず「自分を大切にするっていうのは、もちろん身体もだけれど、

心も大切にすることだからね。最後まできちんと話しを聞いて納得して欲しいわ。」

あず「自分の中にいる別の自分は、どの自分も本人を助けるためにいるということよね。」

ゆず「そう、これが最高の自分を作っていくのに大切な土台になるから。」

 

ゆず「それから、この“シャイニングライフへの道”を読んでいただいていると

なんて簡単に心を開いて解決するのだろうと思われるかもしれないけれど…

これは、このブログの都合上でそうなっているので、そんなに物分かり良く

お話ししていただく必要はないのよね。

1時間50分のセッションが終わるころには、納得のいく何かを手に入れてもらえるように

私達はお話を伺っていくけれど。」

あず「お客さまは十分に吐き出してもらいたいわね。」

 

ゆず「マジカルダイアログで十分に自分を癒すことが出来たら、

何をしていくかを少し予告しておきましょうよ。」

あず「マジカルダイアログは自分を癒すものだから、

それが十分に出来ると他人にも出来るようになるわよね。

何故ならどんなふうに話しを聞いてあげれば、人は満足できるのか?とか、

自分の話しを聞いてもらうにはどうすればよいのかなんてことも

わかる自分になっているものね。」

ゆず「それに、他人との関係がよくなるわ。

自分のことを理解出来るようになって、他人とのコミュニケーションを上手くとれるようになり

他人のことも理解できるようになれば…」

あず「ついに、どんな自分になるか・自分のことをプロデュース出来るようになるわね。」

ゆず「まあまあ、慌てないで…その前に 私達がほんの少し前にいた中間世(天国かしらね。)

で決めてきたこと・必ず皆にあるじゃない、それを知ることからよね。」

あず「そうだわね。それには、占星術やタロットで気付いてもらって…

私達が太陽テーマや土星テーマと言っていることよね。

そこで目指すことや、乗り越えるべきことに気づくことが出来る訳だし。」

 

ゆず「ただ・・・・・どんなに素晴らしい未来が待っているのかがわかっても、

自分でやらなければ何も変わりはしないのよね。

自分の強い意志と粘り強い努力 これがなければ、自分の思い通りにはいかないのよね。」

あず「成功した人は、強く願って思い続ければ夢は叶うと良く言うけれど・・・・・

それには、彼らは必ず人一倍の努力・人十倍かしらhappy01

くじけそうになってもシッカリとした意志を持っているのが前提にあるのよね。」

ゆず「そうなのよねwink

それから 個人セッションもだけど…セミナーやワークショップでも、

マジカルダイアログはどのようにやっていけば良いのかとか、

どんな結果が得られるのかという説明もしたいし…」

あず「上手なコミュニケーションの仕方はどうしたら出来るのかとか、

色々な人にわかって欲しいわね。」

 

ゆず&あず「自分と向き合って、時にはご褒美もあげ、周囲ともスクラムを組み

自分をプロデュースしていく そんな生き生きとした人が沢山増えるための

お手伝いをしていくのが私達よね。」

 

★今週から、『シャイニングライフへの道』はマジカルダイアログを使って

他人との関係をスムーズにしていく方法に進んでいきます。

⑨(2回目)ひまわりさんの☆☆を取り戻す~Part 2~

danger(2回目)ひまわりさんの☆☆を取り戻す~Paet 1~ を最初にお読みください



「さて、具体的に例の“厳しいさん”をどうしたら良いかなんだけど・・・」

分かりやすく説明するには・・・そう考えを巡らせながら2人は顔を見合わせ、そしてまずあずが口を開いた。


「人間は皆、誰でも理解されたいと思っていて、

分かって貰えたと感じれば元気になるって事はひまわりさんも分かったわよね。

という事は、“今回のイライラの元→厳しいさん”の場合もそれと同じなんだと思うの。

“厳しいさん”はあなたのためを思って、良かれと思って、叱咤激励しているのに分かって貰えない、

それでも傷ついたあなたを癒すためだからと影を潜めて協力していたのに、それも気づいて貰えない」
 

「そう聞くと、“厳しいさん”も何だか可哀そうですね」しみじみとした表情でひまわりさんは言う。

「でしょ?だけど元来頑張ることしか出来ない“厳しいさん”だから、

傷ついた気持ちをイライラで表現しちゃったんじゃないかしら?」

それまでうなずきながら聞いていたゆずが、今度は口を開いた。
 

「そこまで分かれば後は簡単!“厳しいさん”とも仲良しトークをすればいいのよ」

「仲良しトーク・・・ですか?」

「うふふ、そうよ。前の傷ついて縮こまっていたひまわりさんには励ましたり『分かるよ』が効いたけど、

今度の“厳しいさん”はプライドが高そうじゃない?だから相手を尊重した話し方が良いと思うの」

「あはは、確かに」そう言うと可笑しそうにひまわりさんは笑いながら何度もうなずいた。
 

そして一息ついて、ふと真顔に戻ってゆずに聞いた。

「でも“厳しいさん”との・・・これもマジカルダイアログなんですか?」

「もちろんよ!自分の中の人格と対話をするんだから、マジカル(魔法)じゃない?」

「あぁ、なるほど、そうですね」ひまわりさんは感心そうにうなずいている。


「さて、それでは・・・」あずが彼女に微笑みかけながら話を本題に戻す。

「私たちが助けるから、一緒に“厳しいさん”とお話しをしてみましょう」

「え?はい」彼女は背筋を伸ばしてこちらを見たが、少し不安気な様子だ。


「もう一度最初からね。

(ひまわりさんの厳しいさんに向かって)あなたは何故、イライラしていたんですか?」

ひまわりさんは右手を胸に当てて黙って目をつぶる。

「・・・この人が何も分かっていないからです」

「分かっていない?何を?」

「自分に優しくしちゃって・・・それでいい気になっちゃって・・・」

「なるほど・・・でも、この人がいい気になっちゃうとどうなるんですか?」

「前に進めなくなっちゃうじゃないですか!まだまだやる事あるのに」

「だから、あなたはイライラ・・・怒っていらしたんですね」

「そうです。」
 

「そのイライラの気持ちはどうして起きるのかなぁ?

その下にある本当の気持ちは何を言いたいのかしら?心配?それとも不安?」

しばらく考えていたひまわりさんは、目を開けると答えた。

「しん・・ぱ・い?・・・。 あ!この人-“厳しいさん”は私の事を心配してたんだ!!」

「そうだったのね。あなたの事を心配してくれてたんだ!」

「はい!」凄い事に気づいた、というように嬉しそうな表情で彼女の目はキラキラ輝いている。


「素晴らしい事に気づいたわね、ひまわりさん。じゃぁ早速、お礼を言わなくちゃね」

「お・礼・・・ですか?」

「そうよ、あなたを心配して守ってくれているんだから心を込めて『ありがとう』って・・・」

「・・・ありがとう」

「“厳しいさん”何て言ってる?」

「う~ん、やっぱり嬉しいのかな?・・・身体が、何て言うのか、軽くなったような・・・」

「それは良かったわ。“厳しいさん” 分かってくれたのね」

 2人はひまわりさんに、“厳しいさん”の言い分にも耳を傾け、自分の思いも分かって貰う、

お互いの気持ちを否定せずに認め合う、そんな対話が大切なのだと一生懸命に話した。

 
そして最後に、2人は一緒に説明する。

「私たちの中には・・・実は様々な人格を持った存在がいるの。

例えば、大人の自分とか子供の自分とか・・・聞いた事あるでしょ?」

「はい」ひまわりさんは真剣にうなずいている。

「傷ついている自分や、今回のように頑張れ!とお尻を叩く自分もね。

本当はたくさん存在しているんだけど、それら全部が協力し合って守ってあなたを支えているの」

「言わば、『チームひまわり』って訳ね」

「それらと上手に付き合う事が出来れば、私たちは誰でも最高の人生を手に入れる事が出来るわ。

それが私たちの言う『究極の自己プロデュース』なの」

「何ですか、それ? 私もやってみたいなぁ」ひまわりさんが興味深そうに言った。

「そうね、でも今は、そのためにもマジカルダイアログを頑張りましょうか」

「はい、そうですね。でもいつか教えて下さいね」

「もちろん、喜んで!」2人は口を揃えて言うと一緒に笑った。

 

☆ ・ ・ ・ ☆ ・ ・ ・ ☆ ・ ・ ・ ☆

今回の事で、改めて人間の不思議さを再認識した。

人間は小宇宙だとも言われるが、自分の中にも多くの人格がいて、常に私たちを守ってくれている。

やっぱり私たちは一人ぼっちではないんだなぁ。

だとしたら、この地球上にも私を解ってくれる人、愛してくれる人、そして待っていてくれる人が

きっといる筈!! そんなことを強く思いながら、ひまわりさんの後ろ姿を見送っていた。


 danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

 

⑧(2回目)ひまわりさんの☆☆を取り戻す~Part 1~

ドアを開けると、以前いらした事のある“ひまわりさん”がニコっと笑顔で会釈をしている。
(①ひまわりさんの☆☆を取り戻す・・・をご参照ください)

すらっとした背の高さとスタイルの良さは変わらないが、何となくの雰囲気が明るくなった感じがする。

以前のような上目使いも影をひそめ、真っ直ぐにこちらを見つめ笑顔を返して来るのが印象的だ。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム『ひまわり』さん

・年齢31歳  ・女性  ・未婚  ・派遣社員

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「お元気でしたか?」席に着くと改めてあずが声をかけた。

「はい。何が変わったという訳ではありませんが」ひまわりさんはニコっと笑って言った。

「あれから先生方に教わったように家で何度もやってみて・・・

上手く出来たかは分かりませんが、それでも随分心が軽くなった気がします」

「まぁ、それは良かった。」ゆずとあずは顔を見合わせてニコっとした。


あずは、そのままひまわりさんに笑顔を向けると茶目っ気タップリに言った。

「あのね、私たちのこと、もし良かったら“ゆずママ・あずママ”って呼んで下さらない?」

ひまわりさんは「え?」と言うような顔であずを見ている。

「私たちはここに来る皆さんのママになることに勝手に決めてるの」

ゆずもニッコリうなずくとあずに続いて言った。

「ホラ子供って、母親にはどんな時にでも自分の良き理解者や味方でいて欲しいでしょ?

そのくせ普段は放っておいて欲しくて、でも困った時には支えて欲しい(笑)」

「確かに」ひまわりさんは思わず噴き出した。
 

「私たちの仕事もそうでありたいと思っているのよ。」

「それに、そんな自分勝手?な子供が愛おしいとも思ってるの」

「ね」「うん」とゆず&あずは顔を見合わせると嬉しそうにうなずき合った。

「分かりました」そう言うと、ひまわりさんは2人を交互に見ながら微笑んだ。


「さて、話の腰を折っちゃってごめんなさいね。それで・・・今日はどうなさったの?」

話を元に戻そうと気を引き締めてゆずが聞いた。


「はい、実は・・・」ひまわりさんは何て言おうかと考えるように壁の一点を見つめている。

「・・・最初は上手く行ってたんです。あの・・・ゆずママやあずママに教えて頂いたように、

えと・・・マジカルダイアログですか?味方トークをやっていて・・・」と言ってこちらを見た。

どうぞ続けて下さい、というように2人が彼女に微笑むと、

「あれからずっと気分は確かに良かったんです。

人の事が羨ましくなると『いいよね、あんな風になりたいんだよね』とか、

『あなただって捨てたもんじゃないよ』って自分に言ったりして」そう言うと恥ずかしそうに微笑んだ。


「ご自身の中に良い変化は感じられたんですね?」

「はい。ですが・・・」

「ですが?」

「楽になって良かったなあと思っていたんですが、その内段々イラつくようになっちゃって」

「イライラして来ちゃったんですか?」

「はい。でも訳が分かんなくて・・・」

ふぅっと息を小さく吐くと彼女は私たちを見て困ったように肩をすくめた。


「その心の中のイライラなんですが、セリフにするとどんな言葉がピッタリしますか?」

あずが優しい口調でひまわりさんに聞いた。

しばらく顔を傾げて考えていたひまわりさんだったが、やがて答えた。

「え~と、自分にいら立っている感じかなぁ・・・『いつまでいい気になってるつもりなんだannoy』みたいな。

何で自分にいら立って来ちゃったんでしょう?私」そう言うと彼女はまた困惑した表情を浮かべた。

 

~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「ひまわりさんの雰囲気、以前と随分変わったわねぇ」

あず「そうね、明るくなったし、オドオドした感じもなくなって素敵になったんじゃない?」

ゆず「そう。だけど今度はまた別の問題が出て来ちゃった・・・」

あず「ええ・・・flairねぇ、もしかしたらひまわりさん・・・次の段階に進んじゃったのかなぁ?」

ゆず「私も、実は同じことを考えていたの」

あず「傷ついたり分かって貰えなかった心の部分が、もし自分に認められて癒されたと納得すれば・・・」

ゆず「確かに次の段階に進みたいと心がGOサインを出してきても不思議じゃないわね」

あず「では早速、そこを確かめてみましょ!」



※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※

あずが言った。

「ひまわりさんの心のイライラについて答える前に、少しお聞きしたい事があるんだけど・・・」

「はい?」ひまわりさんは背筋を伸ばすとあずを見た。
 

「以前、あなたは自分の事を中途半端や優柔不断だとか、

常に自分はダメだとか言っていたけど、今はどんな風に思っていらっしゃるの?」

そう聞かれるとひまわりさんは下を向いて何かを考えていたが、

「あ!flair」と言って突然顔を上げた。

「そういえば私!そんなに自分の事をダメだと思っていたんでしたね、忘れてました」

そう言うと恥かしそうな顔をして笑った。

「ふむ・・・。では自分の良い所も認められるようになって来たって事ですよね?」

「ええ、まぁ」そう言うと彼女は、はにかむようにこちらを見た。

「だとすると・・・」ひまわりさんにうなずきながら、ゆずは言った。

「ひまわりさんの傷ついていた心は癒されて元気になったのかも知れないわ」

「え?そうなんですか?・・・でも・・・」

ゆずの言う意味が理解出来ず戸惑う様子のひまわりさんに、今度はあずがゆっくりと話し始めた。


「今はイライラで困っているのに『癒された』なんて言われても釈然としないわよねぇ。

でもね、人間って不思議なの。

本来私たちは“より良い自分を目指して努力したい!”って思うように出来ているの。」

ひまわりさんは真剣な顔で聞いている。


「だけど色んな理由で元気が失われて来るとそんな気力はなくなっちゃうの。

人間は、自分が理解され、愛され、認められる事で元気エネルギーが出て来るようになってるから、

まずは自分が味方になって心を回復させることが必要よね」

「そうかぁ、だからマジカルダイアログだったんですね」そう言うと彼女はニコっと笑った。


あずも優しくうなずきながら、話しを進める。

「そうなの。ところが癒されて元気になって来ると今度は、

『もうそろそろ先へ進みなさい』という心のGOサインが出て来るようになるの」

「GOサイン?」
 

「そうね、もう少し具体的に言うとね」なおも戸惑い気味のひまわりさんに微笑みながら、ゆずが代わる。

「ひまわりさんの中には自分にダメ出しをして来る厳しい自分がいたでしょ?」

「あ、はい」

「実は、その厳しい自分は誰の中にも存在しているのよ。

そしてその存在は、私たちを成長させるためにはなくてはならない存在でもあるの。

その“厳しいさん”が私たちを見ていてくれるからこそ、

反省したり、どうして行くべきかを見極めることが出来るものね。

だけど反面、『頑張れ、ダメだ!もっと』といつも変わらず叱咤激励ばかり続けているので、

次第に私たちは傷ついて疲れてしまう事にもなる訳。前回のひまわりさんがそうだったでしょ」

ひまわりさんは、2人を見て黙ってうなずいている。
 

「だから、ひまわりさんが元気になるまでは、

その“厳しい方”には休んでいて貰わなければならなかったの。それが癒しね」

「はい、分かります」

「だけど、あなたは元気になって来た・・・そうよね?」

「はい」

「『エネルギーも溜まって来て、そろそろ歩き出せそうだ』そう心が判断したので、

“厳しいさん”がまた復活して来た。それがイライラの正体ではないかと」

「そんな事があるんですか?・・・でも、じゃぁ・・・どうしたらいいんでしょう、私・・・」

益々不安げな表情を浮かべながら、ひまわりさんは交互に2人を見ている。


2人は彼女を安心させるように微笑んだ。

「大丈夫よ。今度は“厳しいさん”との対話を進めればいいのよ」

「“厳しいさん”は元々頼もしいあなたの助っ人だという事を忘れないで」

ゆず&あずは口々にひまわりさんを勇気づける。

「今まであなたは、傷ついているもう一人の自分とお話しして来たでしょ?

その相手を今度は“厳しいさん”に変えるだけでいいの」

「・・・ ・・・」

「例えば、『どうしてイライラしているの?』って聞いてみてはどう?」

「“厳しいさん”何て言ってる?」

ひまわりさんは胸に手を当てると静かに目を閉じた。

「・・・『もういいだろう』・・・って言ってる気がする。 私が現状に甘んじ過ぎてるって・・・?」

困ったようなひまわりさんの表情があまりに可愛らしくて、2人の顔は自然とほころんだ。


「なるほどねぇ。もう元気になったでしょ!って言ってるのかしらね」

「元気になるまで待っててあげたんだからいい加減にしろよ!イライラっannoyて事だったのかしら」

「怖いわねぇ、でも分かる分かる、私たちも経験あるからねぇ」

そう言うと、2人はお互いに顔を見合わせてニッコリうなずいた。

 
「さて、問題はどうしたら良いかって事よねぇ」

「はい」少しホッとした表情でひまわりさんは答えた。


その具体的な方法は・・・

(ちょっと長くなってしまったので、次回(木曜日)に続きます m(__)mm(__)m)

 

danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません。

⑦トムさんの☆☆を取り戻すマジカルダイアログ

時間が来たのでドアを開けると、背が高く体格も良い青年が顔を上げてこちらを見た。 

何だか疲れた様子で肩を落としてシンドそう・・・ 何があったのだろう。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム 『トム』 さん

・年齢27歳  ・男性  ・未婚  ・会社員

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「こんにちは。こちらの場所、すぐ分かりましたか?」

「今日も寒いですよねぇ」

笑顔でそんな他愛もない言葉かけをしながら私たちは彼の緊張を解いて行く。

「今日はどうなさいましたか?」あずが聞く。

「あ、ご存じだと思いますが、ここで話されたことは皆全て口外されることはありません。

守秘義務がありますので安心して何でもお話し下さいね」

毎度のことながら、初めてのお客様には必ず話すことにしている。


「・・・ボク・・・今の会社を辞めようかと悩んでいるんです」

「会社を?」

「ええ。勤めて今年で5年目になるんですが・・・結局この仕事、自分には向かないのかなって・・・」

「例えば、どんなことで『自分には向かない』って思うんですか?」

トムさんの疲れた表情が事の大きさを物語っている気がして、心配そうにゆずが聞いた。


「自分は昔から人との交流が下手で・・・

分からない事があっても上手く先輩に聞くことが出来なかったり、

だからつい周りに誤解をされちゃうんだと思います。・・・ま、自分が悪いんですが」

「なるほど。 では何か1つでもいいので具体例を話して頂けますか?」あずはやさしく彼を見た。
 

「・・・ たとえば先週・・・あ、自分は営業をやっているんですが、

上司には『クライエントのクレームには言いなりになるな』と言われているんですが、

でもクライエントは話が違うじゃないかと怒っているし、自分はどうしたらいいのか困って・・・」

「上司とクライエントの間で板挟みになっちゃったんですね、トムさん」

彼は微かにうなずくと、

「クライエントの怒りを伝えても、『それを上手く収めるのがお前の仕事だろ』って言われちゃうし・・・

でも話しを聞くとクライエントの気持ちも分かるなぁとも思っちゃって。」

「なるほどねぇ」私たちは顔を見合わせてため息をついた。


「ところが数日後クライエントが会社に来て、また先輩にクレームをつけていたんですが、

そこで、『アイツは無能だとか、何を考えているのか分からない』とか、

僕の悪口を先輩に言っているのをたまたま部屋の外で聞いちゃったんです」

 「まぁ・・・それはショックでしたね」

「先輩とクライエントの話しを聞いている内に、自分はもうダメなんじゃないか、そう思えちゃって・・・

そうしたら次の日から会社の前に来ると吐き気がしてきて・・・」

「ん~・・・それは困りましたね。それで今はどうしているんですか?」

「ま、今のところは頑張って通ってはいるんですが・・・」

トムさんは、そう言うと肩を落としてうつむいた。

 

~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「トムさん、深刻よねぇ」

あず「そうねぇ。対人関係が苦手な彼なりに今まで頑張って来たのにね」

ゆず「自分の悪口を直接聞くのは私たちだって耐えられないわよねぇ」

あず「どうもトムさん、自分自身にも自信がないんじゃない?」

ゆず「自分がダメだと密かに思っているから、人に同じことを言われると致命傷になっちゃうのよね」

あず「でも彼は本来使える人よ!上司に従いつつも客の言い分も理解出来る、そのバランス感は大切だもの」

ゆず「うん、上のいいなりにしていれば楽なのに彼は自分の頭でキチッと考えているから苦しくなるのよね」

あず「問題は自分に自信がないから決断力や強さが出せないところよね」

ゆず「でも今回の場合はまず、彼の中の正当な怒りを吐き出させるところからかな」

あず「そう。せっかくここに来たのだから、『辞めたい』の下にある本当の気持ちを私たちは理解しなきゃ!」

ゆず「じゃぁ『心のデトックス』からスタートしましょ」



※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※


何から話そうかと考えながら、ゆずは口火を切った。

「トムさんはもう、会社を辞めると決めたんですか?」

「ええ・・・いえ、正式にはまだです・・・」

「そうですよね、決めかねているからこそ、私たちのところに来たんですものねぇ」

重苦しい空気を破るように明るい口調であずは彼に微笑んだ。

「ええ、辞めようと思っても、じゃぁ次の仕事はどうするんだと考えちゃって・・・」

「こんなご時世ですものねぇ。」一言、彼に同意すると、ゆずはこんな風に切り出した。


「トムさんが会社を辞めるというのは、もっともな選択肢の1つだと思います。

でも、その前に1つやって貰いたいことがあるんです」

トムさんは不思議な顔をしてこちらを見た。


「トムさんは、ご自分がどれ程毎日頑張っているか分かっていますか?」

「え?自分が?」

「そうです!無理な事を押しつけられても、理不尽な非難をされても、吐き気がするほど辛くても

毎日会社に通い続けるトムさんってスゴイ根性の持ち主だと思いませんか?」

「・・・ ・・・」

あずも彼の目を真っ直ぐに見て続けた。

「あなたはキチンと怒ってますか?」

「怒る?きちんと??」

「そう!何も上司や相手に向かって怒れと言ってるんじゃないですよ(笑)

自分の中でしっかりと“怒り”を吐き出しておかないと後が続かなくなってしまうんです」
 

「 もっと分かりやすく言うと・・・」ゆずも笑いかけながらあずに加わる。

「自分の中でもう一人の自分と対話をするんです。私たちは“マジカルダイアログ”と呼んでいるんですが。

あなたの心に湧いてきた感情や言葉と会話をしてあげるんです」

「それも本当の大親友にするような味方トークで!」楽しそうな表情であずもトムさんに告げた。

なおも理解不能な顔をしてこちらを見ているトムさんに私たちは笑顔で続けた。

「じゃぁ実際にやってみますね。私たちはトムさんと心の中のもう一人のトムさん役ですよ」

そう言うと、ゆずとあずは二人でトムさんの心の対話を始めた。
 

トムさん「さっき、お前の悪口聞いたときは驚いたよな」

心の中のトムさん「うん、正直立ち直れないほどの衝撃を受けたよ」

トム「だよな。お前落ち込んでるんだろ?でも違うよ!お前は良くやってるもん」

心「いや、ダメだよ。オレはちゃんとクレーム処理も出来ないし、上司にもいつも注意されるし」

トム「知ってるよ。でもお前が歯を食いしばって耐えているのも知ってるし、

本当は質問したくても言えないと苦しんでるのも知ってる!見えない所でお前は頑張っているんだよ!」
 

身じろぎもせずトムさんは、テーブルの一点を見つめたまま黙って聞いている。
 

トム「だいたい何だよ、あの上司!偉そうにあんな言い方をして。それなのにお前、よく耐えてるよ。」

あの客だって客だよ!お前に言いたいこと言いやがって。お前の気持ちも知らずにさ。

お前ホントに偉いよ!よく頑張ってるよ、さすがだよ!!

誰が何て言ったってオレはお前の味方だからな!いつも一緒にいるからな」


「聞いていて、今どんな気持ちですか?」静かにゆっくりとゆずが聞いた。
 

少しの間があって、トムさんは答えた。

「何か・・・変な感じです。 そんな事、言われたこともないし、それに自分も・・・」

心なしか彼の声がかすれて聞こえる。


「怒りや屈辱感を自分の中にため込んでおいてはいけません。

でも外に出すとリスクも伴うから一番良いのは自分との対話の中で吐き出してしまう事なんです。

心の中の自分が言いたくても言えない本音を、トムさんがあえて口に出してあげると心が楽になるんです」

「言わば、心のデトックスかな」


尚も彼にやさしく言い聞かせるように2人は続ける。

「尊厳・・・自分を解ってあげる、時には『お前は良くやってる』と説得する・・・

自分を大切に敬うことは、最高の自分を手に入れるためにとっても大切なんです」


「ご褒美をあげることも大切ですよ」

「ご褒美?」呆気にとられた様子でトムさんが聞いた。

「そう。例えば・・・」

「今日もヒドかったよなぁ、なのにお前さすがだよ!よく耐えてさ。

だから今日は帰りにコンビニに寄ろうぜ。何か1つご褒美に買おうぜ。何にする?」

「こんな感じかな?私たちも実は時々やっているんですよ(笑)」

初めて彼の顔に笑みが広がった。
 

「でも、そんなことをやっていて自分は変われるのかな?

自分のダメなところは正直いっぱいあるし、直すためにはどうなのかな?って」 

「実はその通りなの。自分の性格を直すのもコミュニケーションを磨くのも、

いくら味方トークを続けたって劇的な変化は望めないわよね。

自分を変えるには地道な努力や多くの時間が必要だもの。」

「でもね、心が傷ついてたり疲れていたら自分を変えるエネルギーは出せる?頑張る力は出ないでしょ?

だからこそ、まずは自分に愛のエネルギーを注がなきゃいけないの」・・

私たちは必至に彼を説得する。
 

「人間ってね、自分をたくさん愛してあげると・・・」

「自分を誰よりも理解して信頼することが出来ると、どんな人でも内側からすっくと立ち上がる日が来るの。

『自分の未来のために、夢のために努力をして頑張りたい!』歩き出さずにはいられないように出来てるの」

「そうなったら次の段階に進むのよ」

「次の段階?」興味深そうにトムさんが聞いた。
 

「ええ。マジカルダイアログを終えて、今度は実践的なスキルを磨くの」

「そう、トムさんの場合なら、効果的なコミュニケーション術とか、

人に言いたいことを上手に効果的に伝える表現方法とかね」

「へぇ、そんなのがあるんですか?」彼は目を丸くして笑った。


そう、だからこそ今は、トムさんの気持ちを解ってあげて欲しいの。

自分の事だから私たちよりも誰よりも、あなたが一番解ってあげられる筈でしょ?

「なるほど」トムさんはしみじみとした表情でうなずいた。


「だけどね」最後に大切な事を言わなきゃ!とゆずとあずの顔が引き締まる。

「トムさん、今の心の調子はどうなんですか?会社に行くのはとても苦しい?」

「いえ、最近は吐き気も収まっています」

「でも絶対に無理はしないで下さい。

トムさんのことはトムさんが一番知っている筈!責任もあるんですから、

また苦しくなったり吐き気がしたら、どうぞ病院にいらして下さいね、今は良く効く薬もありますから。

そして、仕事を辞める決断は、いつでもトムさんが出来るのですからね」


トムさんは大きくうなずくと、しっかりとした口調で言った。

「はい。辞めるのはいつでも出来るし、自分で決めていいということですよね。

味方トークも面白そうなので、自分の部屋でやってみようと思います。

人に聞かれたら変なヤツだと思われるでしょうから」

そういうと、トムさんはクスッと笑った。


「あのぉ・・・自分との対話をして少し落ち着いたら、また来てもいいですか?

自分の苦手なところを克服する方法があるなら知りたいんです」トムさんが真剣な顔をして言った。

「もちろんです!是非いらして下さい。

カッコいいトムさんを見せて上司や先輩を驚かせてやりましょうよ」

私たちが少しだけ鼻息荒く言ったので、トムさんは思わずニッコリとした。
 

晴れ晴れとした優しそうなトムさんの笑顔・・・ステキだなと密かに思った。


danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

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