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ゆず&あずトーク

⑪そよ風さんと☆☆をつなぐマジカルダイアログ

笑顔の優しい女性が、にこやかにドアの外で待っていた。

予約の時間通りだ。「初めまして…」と挨拶をしながら部屋の中へ招き入れる。

 

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム 『そよ風』さん

・年齢 42歳  ・女性  ・既婚  ・自営業

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 落ち着いた雰囲気で、温かみのある優しいお母さんという感じがするそよ風さんは、

ゆっくりと話し始めた。

「今日は、子供のことがよくわからなくなってしまって…どうしたら良いのかと思って伺いました。

子供は、中学2年生の男の子と小学5年生の女の子が二人なんです。」

「どんな風にわからなくなってしまったんですか?」と心配そうにゆずが聞く。

「特に息子の方なんですけれど…」とそよ風さんが少し考えながら言う。

「学校のことを聞いても『うん。』とか『あ~。』とかしか言わないし、友達のことを聞いても

『そう。』とか『まあね!』としか言わないんです。」

今度はあずが聞く「それは、そよ風さんとしては、心配になってしまいますね。

もっと小さいころからあまりお話しないお子さんだったんですか?」

「いいえhappy01何でもよく話してくれる可愛い子だったんです。

学校であったことを聞けば、今日はこんなことをしたとか…

友達のことを聞けば、こんなことを言うんだとか。」

軽くため息をつきながら、そよ風さんは続ける。

「中学生になると男の子は何も言わなくなるというから仕方ないんでしょうかね。

どのご家庭もそんなものなんでしょうけれど…

でも、これから受験も控えているし悩み事なんか出てきたら困ってしまうだろうと思うし。」

ゆずが聞く。「そよ風さんは、どのようにお子さんとの関係を築けたら理想的だと思いますか?」

「そうですね…何でも気楽に話しを出来る関係でしょうか…どんな事でも相談してくれるとか…」

と そよ風さんが答えた。

 

~ゆず&あず テレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「中学生って、色々大変な時よね。大人と子供の境目にいて、

初めての試練ともいえる受験も控えているから…」

あず「本人も訳がわからず、モヤモヤしちゃうし…そんな気持ちを親にも伝えようがないしね。」

ゆず「それを見ている親もやきもきしちゃうしね…」

あず「でも、質問ばかりされていると『え~ぃ!うるさい!』という気分になってしまうわね。」

ゆず「もちろん、毎日何をしているのかも気になるところだけど。

そよ風さんは、息子さんが悩んだ時に相談にのりたいのよね。」

あず「そう、いざという時に助けたいということよね。」

ゆず「その大事な時に話しをしてくれるようになるにはどうしたらいいのかということね。」

あず「そよ風さんは、たっぷりとお子さん達に愛情があるんだものスグに出来るわよ。」

ゆず&あず「そうね。子供との心地よいコミュニケーションがね。」

 

※ ・ ・ ・ ※ ・ ・ ・ ※ ・ ・ ・ ※

あずは、ニッコリとこんな風に話しだした。

「コミュニケーションって、会話のキャッチボールですよね。

何かを尋ねたら、それに応えてくれて、相手が又何かを尋ねて、それに応える。

でも、それとは別に言葉を使わないコミュニケーションもあるんですよ。

態度に表われるとか、表情に出るとか、ありますよね。」

そよ風さんがためらいがちに答える。

「ええ。そうですよね。息子に『あ~』とか言われると、『うるさい!』と言われている気がします。

そうすると、『ふざけるんじゃないわよ!』と一人で頭にきちゃったりして、

もちろん口にはだしませんよ。でも目の前にいる内に聞こうと思って

『じゃあ、これはどうななの?あれはどうなっているの?』みたいに

次から次へと質問したりして、結局 うざい みたいな態度とられたりするんですよ~」 

ゆずは微笑みながらこう聞いた。

「そうですねえ。言ってくれないから 余計 根掘り葉掘り聞きだしたくなりますよね。

そよ風さんは、お子さんに何が起きているのかを知りたいだけですか?」

「それは、どんなことに巻き込まれているのかとか、学校で何をしているのかとか、

友達と上手くやっているのかとか知りたいです。」と少し早口でそよ風さんは答えた。

「でも、その出来ごとと共に、彼はその時どんな気持ちだったかとかどんな風に解決したのか

とかも知りたいですよね。」とあずが真剣に聞く。

「それは、もちろんです。」

 

「例えば…」といたずらっぽくゆずがそよ風さんに切り出した。

「息子さんが『今日学校で○○くんが先生にメチャクチャ怒られたんだよ。』と 奇跡的に

話してくれたらそよ風さんはどんな風に返事をしますか?」

しばらく間があって、そよ風さんは答えた。

「あなたは、一緒に怒られたの?かしら~」

「そうですよね。心配ですものね。家の子まで怒られたら可哀そうですものね。」

「でも、そんな時に返ってくる言葉って『いいや』とか『なんでそんなこと言うんだよ』とか

『関係ないだろう』とかでしょうか。」とあずがゆっくりと話しだす。

 

「会話ってさっきも言ったようにキャッチボールですものね。

人が話しをしたら、まずは『確かに聞きましたよ。』という合図が必要なんですよ。

息子さんから『○○くんが怒られた。』という事を聞いたら、

『そんなことがあったのね。』とまずは受け止めるんですね。

それからこの子は何が言いたいのかなと考えながら話すといいんですよ。

だからって自分の言いたいことを抑えなければいけないわけではないんです。

聞きたいことは聞いていいんです。

心を開いて話して欲しいという場合は、まずは、自分の心を開くことなんですよ。

ただ、言い方の問題というか本当に言いたい事を言うことです。」

 

「何だか難しいですね。」と当惑気味にそよ風さんが言う。

それを聞いてゆずが励ますように話しだす。

「頭で考えていると難しいかしらね。 でも、大丈夫good

子供の価値観って90%は親から受け継いでいるのだから、分かりあえるんですよ。

じゃあ、何で『あなたは一緒に怒られたのかしら?』と聞くかなと思ったんですか?」

そよ風さんは、絞り出すようにこう言った。「う~ん…そんなことになったら大変だから。」

あずも聞く。「何が大変なんですか?」

そよ風さん「…内申にも響くし、先生に嫌われたらまずいでしょ。」

「ということは、そよ風さんは、心配しているんでしょ。」とあず。

「そうです!そうです!」とそよ風さん。

「では、そこのところを息子さんに伝えないとね。

『そんなことがあったの、あなたも一緒に怒られたんじゃないかと心配しちゃったわ。』とか。」

「なるほど~」と感心したようにそよ風さんが頷いている。

 

それを見ながらゆずが優しく言った。

「まあ、本当にあった話しじゃないから 難しいですよね。

ただ、気持ちを話したほうが、相手には通じますよね。

それを繰り返していくうちに皆が自分の気持ちを語ってくるものなんですよ。」

あずも続ける。

「いざという時に、それが出来るようになるには、普段の時にやっておくことなんです。」

「普段の時?」

「えぇ!テレビを見ている時でも、食事の時でもいいんですよ。

『これ面白いね。』『楽しいね。』『いやねえ。』とか『あなたどう思う。』とか」

「意見が違ったっていいんです。

わかって欲しいのは、いつでも私はあなたの話しを聞く準備があるし、

いつでも味方だよっていうことが伝わればいいんです。

そうすれば、子供が本当に困った時には自分の味方のところに助けを求めにくるもの

なんですよ。」

「子供は生まれた時からじ~っと母親だけを見つめてきているのだから、

母親の感情には敏感なものですよね。

特に嘘をつかれているとわかってしまうものなんです。

だから、どんなに憎たらしいことを言っても、愛されていると感じることの出来ている子供は、

母親は味方だと心底わかっているのでしょうね。」

 「でも、それを証明するにはやっぱり言葉なんですよね。

普段から自分の感情を正直に話していれば、愛していることも嘘じゃないんだなと

理解できるんですよ。」

「親が子供に話す時って、意見を言う時とか・注意をしたい時とか・

どちらかというと上から目線になってしまいがちですよね。」

「スゴイとか、上手いとか優しいとか 心からほめることも沢山伝えてあげると

温かい雰囲気がただよいませんか?」

「自分の子供には、よりよくなって欲しいと思うから注意するべきところばかりに

目がいってしまうのでしょうけれど…」

「こんなに素敵なところが沢山あるわよと教えてあげるといいですよね。」

とゆずとあずが交互に話す。

 

「私、子供たちを愛していることには自信があるんです。」と胸を張るようにそよ風さんが言う。

「じゃあ、大丈夫scissors 話しを整理しましょうか…

まず 1つ目 話しを聞く時は、受け止めることから です。

そして、2つ目 何気ない日常の時に普通の会話をしておくこと。

3つ目 会話には、『嬉しい』『楽しい』『心配だ』とか感情もいれること。

最後にもう1つ 人の心を開きたい時は、まず自分の心から開くこと、ですね。」

「どうですか?出来そうですか?」とあずが聞く。

「普通の会話をしていけばいいとお聞きしたら、明るい気分になりました。

息子の良いところも沢山みつけて褒めてやりたいと思います。」と微笑むそよ風さん。

 素直で明るいそよ風さんのご家庭が目に浮かぶようだ。

きっと益々よいお母さんになるのだろうなと思いながら、二人で後ろ姿を見送った。

 

親は、子供の悪いところに気が付いたらそこを指摘して矯正しなければいけない

と思うのも当然だ。それが自分に似ているところで、それで苦労してきたところなら

尚さらだ。でも、学校や友達関係の中で本人が嫌というほど分かっていることならば…

せめて家の中では他人には気づいてもらえない長所を探してほめてあげて欲しい。

ほめられて育った子供のほうが、のびのびと育っていくのだからshine

 

dangerこの物語はフィクションであり,登場人物も含め、全て実在するものではありません

⑩リッキーさんと☆☆をつなぐマジカルダイアログ

shineマジカルダイアログ・・・魔法の対話shine

言葉って不思議です。

生まれて物心ついた頃から自然に話せると私たちは信じて来ました。

でも、傷つくのも傷つけるのも、喜ぶのも元気になるのも“言葉”による事がほとんどです。

だからこそ、より良い関係を築くために私たちは『マジカルダイアログ』を提唱したのです。


Step1 は、自分に信頼を取り戻すマジカルダイアログでした。

今日からは、Step2 『他者との間の絆を深めるマジカルダイアログ』に移ります。

自分を信頼出来るようになったら、次は『自分にとって大切な人』との間に魔法をかけましょう。

自分とでも他者とでも、信頼と愛が大切なのに変わりはないのですから。


☆ heart01 ☆    ★ heart01 ★    ☆ heart01 ☆   

「お久しぶりですねリッキーさん。お元気でしたか?」

「はい、お陰様で。ママたちもお変わりありませんか?」

リッキーさんとの再開を懐かしむ、そんな会話からセッションは始まった。 

以前、ほのかに漂っていた暗い雰囲気は影を潜め、

明るく表情豊かに変身したリッキーさんは、更に魅力的な女性へと変貌を遂げていた。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム『リッキー』さん

・年齢35歳  ・女性  ・未婚  ・会社員

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「あれから私、就職先も無事決まって安定した生活が出来るようになったんですよ」

「まぁ、それは本当に良かったですね」

以前、いらしたときのリッキーさんの暗い顔が瞬時に私たちの脳裏に蘇って来た。

それと同時に、いえ、だからこそ!

今、目の前で穏やかな笑みを浮かべているリッキーさんを見て、心から喜ぶ私たちだった。


「ですが・・・」そう言って、言いよどむリッキーさんの様子に2人は我に返った。

「どうしましたか?」

「はい・・・。私も仕事に慣れまして・・・で、後輩を指導したり面倒を見なくちゃいけなくなったんですが、

私、上手く出来なくて・・・」

「上手に出来ない?」あずが少し心配そうに聞いた。

「例えばどんな事ですか?」ゆずも真剣な顔でリッキーさんを見た。
 

「例えば先日も・・・ あ、私相談を受けることが時々あるんです。

後輩の話は聞いてあげなきゃいけないかなぁと・・・相談に乗るのはいいんですが、

最近、何て言うか・・・愚痴が多くなっちゃって・・・」

 「あぁ、愚痴は何度も言われると聞く方も辛くなって来ますよねぇ」

「ええ。普通になら別にいいんです。だけど最近は毎日、常に誰かの悪口を言って来る子がいて・・・

もう、聞いてるこっちも気が滅入るし、言っても仕方ない事を言い続けるより、

もっと仕事頑張れよ!みたいな事を言いたくなっちゃうし・・・

私、どうしたらいいんでしょうか?このままじゃ私まで耐えられなくなりそうで・・・

ママ達ならどうするのかな?って思って・・・」



~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「愚痴や悪口をそのまま受けて聞いちゃうと参っちゃうわよね」

あず「そうそう。私も昔はリッキーさんと同じような事を思ってたなぁ」

ゆず「うふふ、私もよ。じゃぁ、早速そこを解決する方法を伝授しましょうか」

あず「ええ。それに実はリッキーさん、すでに上手に話が聞ける筈なのよね」

ゆず「そう、マジカルダイアログで自分相手にたくさん対話をして来たんだから」(笑)

あず「リッキーさん、その事に気づいてないのよね」

ゆず「では、その辺から始めましょうか」



※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※

ゆずが言った。

「リッキーさんの滅入る気持ち、それはもっともだと思うわ。誰だって愚痴は出来れば聞きたくないもの」

「ええ。でもママ達はお仕事がら、聞く事多くないですか?」

「多いですよ。」悪戯っぽい表情で笑いながらゆずが答えた。

「そんなとき、どうしているんですか?」

「う~ん・・・私たち、そんなときは“愚痴”だと思って聞いてないの」

そう言うと、ゆずはあずを見てニコッとし、二人はうなずき合った。


「愚痴だと思って聞いてない・・・ですか?」

「そうなの。愚痴って嫌なものっていう印象があるでしょ?

でも本当は、何らかの期待がなきゃ愚痴って出て来ないものなのよ」

「え?」

あずもうなずきながらリッキーさんに説明する。

「そう。例えば『あの上司がまた嫌味を言って来たからムカつく』って言ったとするでしょ?

愚痴だってとらえると、またかよ~って思っちゃうけど、本当はこの人、

『嫌味じゃなく、もっとストレートに注意してくれれば私だって素直に反省するのに』って

思ってるのかも知れないわよね」

「あ~なるほど」

「だから、この人ホントはどう感じて、どう言って貰いたいのかしら?って思いながら話を聞いていると

イライラはしないの」

「そ~なんですか・・・でも難しいですね」釈然としない様子でリッキーさんがつぶやいた。

にっこりリッキーさんにうなずくと、今度はゆずが話し出した。

 
「ほら、思い出して。リッキーさん、マジカルダイアログで自分との対話をいっぱいして来たでしょ?

一人のときは愚痴も悪口も言ってたと思うんだけど、そんな時はどう対処してたの?」

「ああ、そう言えば・・・。

そんなときは、ママ達に教えられた通り、自分の味方になって話を聞いていましたね」

「そうよね。じゃぁ、さっきの例え話だったとしたら、どんな風に自分に返してあげた?」

「う~ん・・・『あ~、嫌味言われると嫌だよねぇ』とか・・・」

「そう!それよ!!」突然ゆず&あずが指をさして嬉しそうに言うものだから、

驚いた顔をしてリッキーさんが2人を見た。
 

「そう、相手にもそう言ってあげればいいんじゃない?」

「あ!そうか!自分に言っていたように人にも言えばいいんですね。

・・・でも、そんな事を繰り返していると、益々言って来ませんか?悪口・・・」

「それは1つだけ注意していれば大丈夫」

「1つだけ??」

「あのね、一緒に盛り上がっちゃダメなのよ。

自分との間だったら問題ないんだけど、他人の話を、しかも愚痴や悪口を聞いている時に、

一緒に盛り上がっちゃうと同じ気持ちなのかな?って誤解されちゃうでしょ。

そうすると、そこからトラブルに巻き込まれちゃう危険も出て来るし・・・

あくまで『あなたはそう思っているのね』って自分との間に線を引く事が大切だわね」
 

「難しそうだなぁ。具体的にはどう言うんですか?」

「さっき、あなたが言ったみたいに『嫌味は言われたくないわよね』とか、

『〇〇って言われたから凹んじゃったんでしょう』みたいに話すといいかもね」

「ようするに、非難なしの味方トークをする事には変わりないけれど、他人とだから、

分かり合い過ぎないって言うか、盛り上がり過ぎないようにするのがコツかな」(笑)

「あ~なるほど!少し分かって来ました」ようやくリッキーさんの顔が笑顔になった。


「あなた、気づかずに今までも『味方トーク』周りの人にやっていたんじゃない?」

「そう言えば・・・私段々相談されることが多くなって来ちゃって・・・

『あなたに話すとすっきりする』とか言われるようになって・・・そう言われれば私も嬉しいから

人の話をよく聞くようになったんだと思いますが、でも愚痴を聞くのも多くなってきちゃったんです」

「そうでしょうね。自分との対話が上手になると、自然と他人の話を聞くのも上手になるものなのよ」

「へ~そうだったんですか。ちょっと嬉しいかも」そう言ってリッキーさんはペロッと舌を小さく出した。


リッキーさんの表情が和らいだのを見て、2人は話を整理することにした。

大切なのは・・・

1.まず自分との対話をするのと同じように、人の話も基本“味方トーク”で聞く。

2.愚痴や悪口は、『どう言われたかったのか』『何故傷ついたのか』に注意を向けて聞く。

3.愚痴や悪口に同調し過ぎて一緒に盛り上がらないで、あくまで『あ・な・た・が』を肝に銘じる。
  同調し過ぎて盛り上がると楽しいけれど、トラブルに巻き込まれる危険もあるから。
  嬉しい事は一緒に大いに盛り上がり、愚痴や悪口には少し距離を持って冷静にが基本。

「こんなところかしらね」

2人はお互いに確認し合うとリッキーさんに「どうですか?」という様に目で合図を送った。


「なるほど、分かりました。」リッキーさんは答えると、すぐにまた続けた。

「上手く出来る自信はありませんが、明日からやってみようと思います。

考えてみたら、自分との対話だって最初は上手く出来なかったんですものね、私」

「そう。その調子!」

あずが元気にワザとそう言うと、3人は楽しそうに声を上げて笑い合った」 

 

danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

ゆず&あず の Tea Break ①

今回は、ゆず&あずのおしゃべりタイムですgemini

 

あず「悩みを抱えてくるお客さまは、傷ついていてそのことに気づいていない人も多いわよね。」

ゆず「どちらかといえば、自分で自分を責めている人が多いわ。」

あず「そう、だからまずマジカルダイアログでヒーリングをすることが必要なのよね。」

ゆず「自分のことは自分で十分わかっていると思うんだけど、

実は、わかってあげるのでなく、どうしたら良くなるのかまず考えてしまう。」

あず「自分以外の人にもそうだけれど、

泣くのは見たくないとか、これ以上言ったら大変なことになるとばかりに

苦しい事は言わなくていいからと言って、本当の気持ちをおさえこんでしまうのね。」

 

ゆず「でも、ここのところはわかって欲しいんだけれど…

マジカルダイアログで自分をヒーリングだけするだけでいいわけじゃなくて、

次のステップに進むプロセスのためのマジカルダイアログなのよね。」

あず「そうなのよねhappy01

自分の味方をしてくれると嬉しくていつまでもなぐさめて欲しいなんて思ってしまうんだけど、

そうすると中々前進は出来ないわね。自分の体験に基づいて言ってるんだけれどcoldsweats01

ゆず「わたしもよ~bleah

でも、自分の心を整えなければ、先に進めないのは事実だから、

ここはシッカリとやって欲しいところでもあるしね。」

 

あず「マジカルダイアログは簡単に出来るようなんだけれど…

実は、家に帰って一人でやってみると難しいってお客様はおっしゃるわね。

最初は自分の味方をしているんだけれど、頭のいい私たちには、

『そんなこと言っていていいの?』とか『またまたわざとらしい?』

なんて余計なおしゃべりが割って入ることが多いのよね。」

ゆず「それも全て自分の思いでもあるのだから、いったん受け止めることが大切ね。

『そうかあ、そう思うよね。』と気持ちをわかってあげるだけでいいのだけど。」

あず「気持ちをわかってあげると、負けてしまうと思うみたいね。

わかってあげて、『でも私はこうなんだ。』と主張して、

また 反論がきたら、その気持ちを一端受け止めてから、自分の意見を言ってと

自分の中で話し合いをして欲しいんだけれど…慣れないと難しいのは確かよね。」

ゆず「自分を大切にするっていうのは、もちろん身体もだけれど、

心も大切にすることだからね。最後まできちんと話しを聞いて納得して欲しいわ。」

あず「自分の中にいる別の自分は、どの自分も本人を助けるためにいるということよね。」

ゆず「そう、これが最高の自分を作っていくのに大切な土台になるから。」

 

ゆず「それから、この“シャイニングライフへの道”を読んでいただいていると

なんて簡単に心を開いて解決するのだろうと思われるかもしれないけれど…

これは、このブログの都合上でそうなっているので、そんなに物分かり良く

お話ししていただく必要はないのよね。

1時間50分のセッションが終わるころには、納得のいく何かを手に入れてもらえるように

私達はお話を伺っていくけれど。」

あず「お客さまは十分に吐き出してもらいたいわね。」

 

ゆず「マジカルダイアログで十分に自分を癒すことが出来たら、

何をしていくかを少し予告しておきましょうよ。」

あず「マジカルダイアログは自分を癒すものだから、

それが十分に出来ると他人にも出来るようになるわよね。

何故ならどんなふうに話しを聞いてあげれば、人は満足できるのか?とか、

自分の話しを聞いてもらうにはどうすればよいのかなんてことも

わかる自分になっているものね。」

ゆず「それに、他人との関係がよくなるわ。

自分のことを理解出来るようになって、他人とのコミュニケーションを上手くとれるようになり

他人のことも理解できるようになれば…」

あず「ついに、どんな自分になるか・自分のことをプロデュース出来るようになるわね。」

ゆず「まあまあ、慌てないで…その前に 私達がほんの少し前にいた中間世(天国かしらね。)

で決めてきたこと・必ず皆にあるじゃない、それを知ることからよね。」

あず「そうだわね。それには、占星術やタロットで気付いてもらって…

私達が太陽テーマや土星テーマと言っていることよね。

そこで目指すことや、乗り越えるべきことに気づくことが出来る訳だし。」

 

ゆず「ただ・・・・・どんなに素晴らしい未来が待っているのかがわかっても、

自分でやらなければ何も変わりはしないのよね。

自分の強い意志と粘り強い努力 これがなければ、自分の思い通りにはいかないのよね。」

あず「成功した人は、強く願って思い続ければ夢は叶うと良く言うけれど・・・・・

それには、彼らは必ず人一倍の努力・人十倍かしらhappy01

くじけそうになってもシッカリとした意志を持っているのが前提にあるのよね。」

ゆず「そうなのよねwink

それから 個人セッションもだけど…セミナーやワークショップでも、

マジカルダイアログはどのようにやっていけば良いのかとか、

どんな結果が得られるのかという説明もしたいし…」

あず「上手なコミュニケーションの仕方はどうしたら出来るのかとか、

色々な人にわかって欲しいわね。」

 

ゆず&あず「自分と向き合って、時にはご褒美もあげ、周囲ともスクラムを組み

自分をプロデュースしていく そんな生き生きとした人が沢山増えるための

お手伝いをしていくのが私達よね。」

 

★今週から、『シャイニングライフへの道』はマジカルダイアログを使って

他人との関係をスムーズにしていく方法に進んでいきます。

⑨(2回目)ひまわりさんの☆☆を取り戻す~Part 2~

danger(2回目)ひまわりさんの☆☆を取り戻す~Paet 1~ を最初にお読みください



「さて、具体的に例の“厳しいさん”をどうしたら良いかなんだけど・・・」

分かりやすく説明するには・・・そう考えを巡らせながら2人は顔を見合わせ、そしてまずあずが口を開いた。


「人間は皆、誰でも理解されたいと思っていて、

分かって貰えたと感じれば元気になるって事はひまわりさんも分かったわよね。

という事は、“今回のイライラの元→厳しいさん”の場合もそれと同じなんだと思うの。

“厳しいさん”はあなたのためを思って、良かれと思って、叱咤激励しているのに分かって貰えない、

それでも傷ついたあなたを癒すためだからと影を潜めて協力していたのに、それも気づいて貰えない」
 

「そう聞くと、“厳しいさん”も何だか可哀そうですね」しみじみとした表情でひまわりさんは言う。

「でしょ?だけど元来頑張ることしか出来ない“厳しいさん”だから、

傷ついた気持ちをイライラで表現しちゃったんじゃないかしら?」

それまでうなずきながら聞いていたゆずが、今度は口を開いた。
 

「そこまで分かれば後は簡単!“厳しいさん”とも仲良しトークをすればいいのよ」

「仲良しトーク・・・ですか?」

「うふふ、そうよ。前の傷ついて縮こまっていたひまわりさんには励ましたり『分かるよ』が効いたけど、

今度の“厳しいさん”はプライドが高そうじゃない?だから相手を尊重した話し方が良いと思うの」

「あはは、確かに」そう言うと可笑しそうにひまわりさんは笑いながら何度もうなずいた。
 

そして一息ついて、ふと真顔に戻ってゆずに聞いた。

「でも“厳しいさん”との・・・これもマジカルダイアログなんですか?」

「もちろんよ!自分の中の人格と対話をするんだから、マジカル(魔法)じゃない?」

「あぁ、なるほど、そうですね」ひまわりさんは感心そうにうなずいている。


「さて、それでは・・・」あずが彼女に微笑みかけながら話を本題に戻す。

「私たちが助けるから、一緒に“厳しいさん”とお話しをしてみましょう」

「え?はい」彼女は背筋を伸ばしてこちらを見たが、少し不安気な様子だ。


「もう一度最初からね。

(ひまわりさんの厳しいさんに向かって)あなたは何故、イライラしていたんですか?」

ひまわりさんは右手を胸に当てて黙って目をつぶる。

「・・・この人が何も分かっていないからです」

「分かっていない?何を?」

「自分に優しくしちゃって・・・それでいい気になっちゃって・・・」

「なるほど・・・でも、この人がいい気になっちゃうとどうなるんですか?」

「前に進めなくなっちゃうじゃないですか!まだまだやる事あるのに」

「だから、あなたはイライラ・・・怒っていらしたんですね」

「そうです。」
 

「そのイライラの気持ちはどうして起きるのかなぁ?

その下にある本当の気持ちは何を言いたいのかしら?心配?それとも不安?」

しばらく考えていたひまわりさんは、目を開けると答えた。

「しん・・ぱ・い?・・・。 あ!この人-“厳しいさん”は私の事を心配してたんだ!!」

「そうだったのね。あなたの事を心配してくれてたんだ!」

「はい!」凄い事に気づいた、というように嬉しそうな表情で彼女の目はキラキラ輝いている。


「素晴らしい事に気づいたわね、ひまわりさん。じゃぁ早速、お礼を言わなくちゃね」

「お・礼・・・ですか?」

「そうよ、あなたを心配して守ってくれているんだから心を込めて『ありがとう』って・・・」

「・・・ありがとう」

「“厳しいさん”何て言ってる?」

「う~ん、やっぱり嬉しいのかな?・・・身体が、何て言うのか、軽くなったような・・・」

「それは良かったわ。“厳しいさん” 分かってくれたのね」

 2人はひまわりさんに、“厳しいさん”の言い分にも耳を傾け、自分の思いも分かって貰う、

お互いの気持ちを否定せずに認め合う、そんな対話が大切なのだと一生懸命に話した。

 
そして最後に、2人は一緒に説明する。

「私たちの中には・・・実は様々な人格を持った存在がいるの。

例えば、大人の自分とか子供の自分とか・・・聞いた事あるでしょ?」

「はい」ひまわりさんは真剣にうなずいている。

「傷ついている自分や、今回のように頑張れ!とお尻を叩く自分もね。

本当はたくさん存在しているんだけど、それら全部が協力し合って守ってあなたを支えているの」

「言わば、『チームひまわり』って訳ね」

「それらと上手に付き合う事が出来れば、私たちは誰でも最高の人生を手に入れる事が出来るわ。

それが私たちの言う『究極の自己プロデュース』なの」

「何ですか、それ? 私もやってみたいなぁ」ひまわりさんが興味深そうに言った。

「そうね、でも今は、そのためにもマジカルダイアログを頑張りましょうか」

「はい、そうですね。でもいつか教えて下さいね」

「もちろん、喜んで!」2人は口を揃えて言うと一緒に笑った。

 

☆ ・ ・ ・ ☆ ・ ・ ・ ☆ ・ ・ ・ ☆

今回の事で、改めて人間の不思議さを再認識した。

人間は小宇宙だとも言われるが、自分の中にも多くの人格がいて、常に私たちを守ってくれている。

やっぱり私たちは一人ぼっちではないんだなぁ。

だとしたら、この地球上にも私を解ってくれる人、愛してくれる人、そして待っていてくれる人が

きっといる筈!! そんなことを強く思いながら、ひまわりさんの後ろ姿を見送っていた。


 danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

 

⑧(2回目)ひまわりさんの☆☆を取り戻す~Part 1~

ドアを開けると、以前いらした事のある“ひまわりさん”がニコっと笑顔で会釈をしている。
(①ひまわりさんの☆☆を取り戻す・・・をご参照ください)

すらっとした背の高さとスタイルの良さは変わらないが、何となくの雰囲気が明るくなった感じがする。

以前のような上目使いも影をひそめ、真っ直ぐにこちらを見つめ笑顔を返して来るのが印象的だ。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム『ひまわり』さん

・年齢31歳  ・女性  ・未婚  ・派遣社員

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「お元気でしたか?」席に着くと改めてあずが声をかけた。

「はい。何が変わったという訳ではありませんが」ひまわりさんはニコっと笑って言った。

「あれから先生方に教わったように家で何度もやってみて・・・

上手く出来たかは分かりませんが、それでも随分心が軽くなった気がします」

「まぁ、それは良かった。」ゆずとあずは顔を見合わせてニコっとした。


あずは、そのままひまわりさんに笑顔を向けると茶目っ気タップリに言った。

「あのね、私たちのこと、もし良かったら“ゆずママ・あずママ”って呼んで下さらない?」

ひまわりさんは「え?」と言うような顔であずを見ている。

「私たちはここに来る皆さんのママになることに勝手に決めてるの」

ゆずもニッコリうなずくとあずに続いて言った。

「ホラ子供って、母親にはどんな時にでも自分の良き理解者や味方でいて欲しいでしょ?

そのくせ普段は放っておいて欲しくて、でも困った時には支えて欲しい(笑)」

「確かに」ひまわりさんは思わず噴き出した。
 

「私たちの仕事もそうでありたいと思っているのよ。」

「それに、そんな自分勝手?な子供が愛おしいとも思ってるの」

「ね」「うん」とゆず&あずは顔を見合わせると嬉しそうにうなずき合った。

「分かりました」そう言うと、ひまわりさんは2人を交互に見ながら微笑んだ。


「さて、話の腰を折っちゃってごめんなさいね。それで・・・今日はどうなさったの?」

話を元に戻そうと気を引き締めてゆずが聞いた。


「はい、実は・・・」ひまわりさんは何て言おうかと考えるように壁の一点を見つめている。

「・・・最初は上手く行ってたんです。あの・・・ゆずママやあずママに教えて頂いたように、

えと・・・マジカルダイアログですか?味方トークをやっていて・・・」と言ってこちらを見た。

どうぞ続けて下さい、というように2人が彼女に微笑むと、

「あれからずっと気分は確かに良かったんです。

人の事が羨ましくなると『いいよね、あんな風になりたいんだよね』とか、

『あなただって捨てたもんじゃないよ』って自分に言ったりして」そう言うと恥ずかしそうに微笑んだ。


「ご自身の中に良い変化は感じられたんですね?」

「はい。ですが・・・」

「ですが?」

「楽になって良かったなあと思っていたんですが、その内段々イラつくようになっちゃって」

「イライラして来ちゃったんですか?」

「はい。でも訳が分かんなくて・・・」

ふぅっと息を小さく吐くと彼女は私たちを見て困ったように肩をすくめた。


「その心の中のイライラなんですが、セリフにするとどんな言葉がピッタリしますか?」

あずが優しい口調でひまわりさんに聞いた。

しばらく顔を傾げて考えていたひまわりさんだったが、やがて答えた。

「え~と、自分にいら立っている感じかなぁ・・・『いつまでいい気になってるつもりなんだannoy』みたいな。

何で自分にいら立って来ちゃったんでしょう?私」そう言うと彼女はまた困惑した表情を浮かべた。

 

~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「ひまわりさんの雰囲気、以前と随分変わったわねぇ」

あず「そうね、明るくなったし、オドオドした感じもなくなって素敵になったんじゃない?」

ゆず「そう。だけど今度はまた別の問題が出て来ちゃった・・・」

あず「ええ・・・flairねぇ、もしかしたらひまわりさん・・・次の段階に進んじゃったのかなぁ?」

ゆず「私も、実は同じことを考えていたの」

あず「傷ついたり分かって貰えなかった心の部分が、もし自分に認められて癒されたと納得すれば・・・」

ゆず「確かに次の段階に進みたいと心がGOサインを出してきても不思議じゃないわね」

あず「では早速、そこを確かめてみましょ!」



※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※

あずが言った。

「ひまわりさんの心のイライラについて答える前に、少しお聞きしたい事があるんだけど・・・」

「はい?」ひまわりさんは背筋を伸ばすとあずを見た。
 

「以前、あなたは自分の事を中途半端や優柔不断だとか、

常に自分はダメだとか言っていたけど、今はどんな風に思っていらっしゃるの?」

そう聞かれるとひまわりさんは下を向いて何かを考えていたが、

「あ!flair」と言って突然顔を上げた。

「そういえば私!そんなに自分の事をダメだと思っていたんでしたね、忘れてました」

そう言うと恥かしそうな顔をして笑った。

「ふむ・・・。では自分の良い所も認められるようになって来たって事ですよね?」

「ええ、まぁ」そう言うと彼女は、はにかむようにこちらを見た。

「だとすると・・・」ひまわりさんにうなずきながら、ゆずは言った。

「ひまわりさんの傷ついていた心は癒されて元気になったのかも知れないわ」

「え?そうなんですか?・・・でも・・・」

ゆずの言う意味が理解出来ず戸惑う様子のひまわりさんに、今度はあずがゆっくりと話し始めた。


「今はイライラで困っているのに『癒された』なんて言われても釈然としないわよねぇ。

でもね、人間って不思議なの。

本来私たちは“より良い自分を目指して努力したい!”って思うように出来ているの。」

ひまわりさんは真剣な顔で聞いている。


「だけど色んな理由で元気が失われて来るとそんな気力はなくなっちゃうの。

人間は、自分が理解され、愛され、認められる事で元気エネルギーが出て来るようになってるから、

まずは自分が味方になって心を回復させることが必要よね」

「そうかぁ、だからマジカルダイアログだったんですね」そう言うと彼女はニコっと笑った。


あずも優しくうなずきながら、話しを進める。

「そうなの。ところが癒されて元気になって来ると今度は、

『もうそろそろ先へ進みなさい』という心のGOサインが出て来るようになるの」

「GOサイン?」
 

「そうね、もう少し具体的に言うとね」なおも戸惑い気味のひまわりさんに微笑みながら、ゆずが代わる。

「ひまわりさんの中には自分にダメ出しをして来る厳しい自分がいたでしょ?」

「あ、はい」

「実は、その厳しい自分は誰の中にも存在しているのよ。

そしてその存在は、私たちを成長させるためにはなくてはならない存在でもあるの。

その“厳しいさん”が私たちを見ていてくれるからこそ、

反省したり、どうして行くべきかを見極めることが出来るものね。

だけど反面、『頑張れ、ダメだ!もっと』といつも変わらず叱咤激励ばかり続けているので、

次第に私たちは傷ついて疲れてしまう事にもなる訳。前回のひまわりさんがそうだったでしょ」

ひまわりさんは、2人を見て黙ってうなずいている。
 

「だから、ひまわりさんが元気になるまでは、

その“厳しい方”には休んでいて貰わなければならなかったの。それが癒しね」

「はい、分かります」

「だけど、あなたは元気になって来た・・・そうよね?」

「はい」

「『エネルギーも溜まって来て、そろそろ歩き出せそうだ』そう心が判断したので、

“厳しいさん”がまた復活して来た。それがイライラの正体ではないかと」

「そんな事があるんですか?・・・でも、じゃぁ・・・どうしたらいいんでしょう、私・・・」

益々不安げな表情を浮かべながら、ひまわりさんは交互に2人を見ている。


2人は彼女を安心させるように微笑んだ。

「大丈夫よ。今度は“厳しいさん”との対話を進めればいいのよ」

「“厳しいさん”は元々頼もしいあなたの助っ人だという事を忘れないで」

ゆず&あずは口々にひまわりさんを勇気づける。

「今まであなたは、傷ついているもう一人の自分とお話しして来たでしょ?

その相手を今度は“厳しいさん”に変えるだけでいいの」

「・・・ ・・・」

「例えば、『どうしてイライラしているの?』って聞いてみてはどう?」

「“厳しいさん”何て言ってる?」

ひまわりさんは胸に手を当てると静かに目を閉じた。

「・・・『もういいだろう』・・・って言ってる気がする。 私が現状に甘んじ過ぎてるって・・・?」

困ったようなひまわりさんの表情があまりに可愛らしくて、2人の顔は自然とほころんだ。


「なるほどねぇ。もう元気になったでしょ!って言ってるのかしらね」

「元気になるまで待っててあげたんだからいい加減にしろよ!イライラっannoyて事だったのかしら」

「怖いわねぇ、でも分かる分かる、私たちも経験あるからねぇ」

そう言うと、2人はお互いに顔を見合わせてニッコリうなずいた。

 
「さて、問題はどうしたら良いかって事よねぇ」

「はい」少しホッとした表情でひまわりさんは答えた。


その具体的な方法は・・・

(ちょっと長くなってしまったので、次回(木曜日)に続きます m(__)mm(__)m)

 

danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません。

⑦トムさんの☆☆を取り戻すマジカルダイアログ

時間が来たのでドアを開けると、背が高く体格も良い青年が顔を上げてこちらを見た。 

何だか疲れた様子で肩を落としてシンドそう・・・ 何があったのだろう。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム 『トム』 さん

・年齢27歳  ・男性  ・未婚  ・会社員

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「こんにちは。こちらの場所、すぐ分かりましたか?」

「今日も寒いですよねぇ」

笑顔でそんな他愛もない言葉かけをしながら私たちは彼の緊張を解いて行く。

「今日はどうなさいましたか?」あずが聞く。

「あ、ご存じだと思いますが、ここで話されたことは皆全て口外されることはありません。

守秘義務がありますので安心して何でもお話し下さいね」

毎度のことながら、初めてのお客様には必ず話すことにしている。


「・・・ボク・・・今の会社を辞めようかと悩んでいるんです」

「会社を?」

「ええ。勤めて今年で5年目になるんですが・・・結局この仕事、自分には向かないのかなって・・・」

「例えば、どんなことで『自分には向かない』って思うんですか?」

トムさんの疲れた表情が事の大きさを物語っている気がして、心配そうにゆずが聞いた。


「自分は昔から人との交流が下手で・・・

分からない事があっても上手く先輩に聞くことが出来なかったり、

だからつい周りに誤解をされちゃうんだと思います。・・・ま、自分が悪いんですが」

「なるほど。 では何か1つでもいいので具体例を話して頂けますか?」あずはやさしく彼を見た。
 

「・・・ たとえば先週・・・あ、自分は営業をやっているんですが、

上司には『クライエントのクレームには言いなりになるな』と言われているんですが、

でもクライエントは話が違うじゃないかと怒っているし、自分はどうしたらいいのか困って・・・」

「上司とクライエントの間で板挟みになっちゃったんですね、トムさん」

彼は微かにうなずくと、

「クライエントの怒りを伝えても、『それを上手く収めるのがお前の仕事だろ』って言われちゃうし・・・

でも話しを聞くとクライエントの気持ちも分かるなぁとも思っちゃって。」

「なるほどねぇ」私たちは顔を見合わせてため息をついた。


「ところが数日後クライエントが会社に来て、また先輩にクレームをつけていたんですが、

そこで、『アイツは無能だとか、何を考えているのか分からない』とか、

僕の悪口を先輩に言っているのをたまたま部屋の外で聞いちゃったんです」

 「まぁ・・・それはショックでしたね」

「先輩とクライエントの話しを聞いている内に、自分はもうダメなんじゃないか、そう思えちゃって・・・

そうしたら次の日から会社の前に来ると吐き気がしてきて・・・」

「ん~・・・それは困りましたね。それで今はどうしているんですか?」

「ま、今のところは頑張って通ってはいるんですが・・・」

トムさんは、そう言うと肩を落としてうつむいた。

 

~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「トムさん、深刻よねぇ」

あず「そうねぇ。対人関係が苦手な彼なりに今まで頑張って来たのにね」

ゆず「自分の悪口を直接聞くのは私たちだって耐えられないわよねぇ」

あず「どうもトムさん、自分自身にも自信がないんじゃない?」

ゆず「自分がダメだと密かに思っているから、人に同じことを言われると致命傷になっちゃうのよね」

あず「でも彼は本来使える人よ!上司に従いつつも客の言い分も理解出来る、そのバランス感は大切だもの」

ゆず「うん、上のいいなりにしていれば楽なのに彼は自分の頭でキチッと考えているから苦しくなるのよね」

あず「問題は自分に自信がないから決断力や強さが出せないところよね」

ゆず「でも今回の場合はまず、彼の中の正当な怒りを吐き出させるところからかな」

あず「そう。せっかくここに来たのだから、『辞めたい』の下にある本当の気持ちを私たちは理解しなきゃ!」

ゆず「じゃぁ『心のデトックス』からスタートしましょ」



※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※


何から話そうかと考えながら、ゆずは口火を切った。

「トムさんはもう、会社を辞めると決めたんですか?」

「ええ・・・いえ、正式にはまだです・・・」

「そうですよね、決めかねているからこそ、私たちのところに来たんですものねぇ」

重苦しい空気を破るように明るい口調であずは彼に微笑んだ。

「ええ、辞めようと思っても、じゃぁ次の仕事はどうするんだと考えちゃって・・・」

「こんなご時世ですものねぇ。」一言、彼に同意すると、ゆずはこんな風に切り出した。


「トムさんが会社を辞めるというのは、もっともな選択肢の1つだと思います。

でも、その前に1つやって貰いたいことがあるんです」

トムさんは不思議な顔をしてこちらを見た。


「トムさんは、ご自分がどれ程毎日頑張っているか分かっていますか?」

「え?自分が?」

「そうです!無理な事を押しつけられても、理不尽な非難をされても、吐き気がするほど辛くても

毎日会社に通い続けるトムさんってスゴイ根性の持ち主だと思いませんか?」

「・・・ ・・・」

あずも彼の目を真っ直ぐに見て続けた。

「あなたはキチンと怒ってますか?」

「怒る?きちんと??」

「そう!何も上司や相手に向かって怒れと言ってるんじゃないですよ(笑)

自分の中でしっかりと“怒り”を吐き出しておかないと後が続かなくなってしまうんです」
 

「 もっと分かりやすく言うと・・・」ゆずも笑いかけながらあずに加わる。

「自分の中でもう一人の自分と対話をするんです。私たちは“マジカルダイアログ”と呼んでいるんですが。

あなたの心に湧いてきた感情や言葉と会話をしてあげるんです」

「それも本当の大親友にするような味方トークで!」楽しそうな表情であずもトムさんに告げた。

なおも理解不能な顔をしてこちらを見ているトムさんに私たちは笑顔で続けた。

「じゃぁ実際にやってみますね。私たちはトムさんと心の中のもう一人のトムさん役ですよ」

そう言うと、ゆずとあずは二人でトムさんの心の対話を始めた。
 

トムさん「さっき、お前の悪口聞いたときは驚いたよな」

心の中のトムさん「うん、正直立ち直れないほどの衝撃を受けたよ」

トム「だよな。お前落ち込んでるんだろ?でも違うよ!お前は良くやってるもん」

心「いや、ダメだよ。オレはちゃんとクレーム処理も出来ないし、上司にもいつも注意されるし」

トム「知ってるよ。でもお前が歯を食いしばって耐えているのも知ってるし、

本当は質問したくても言えないと苦しんでるのも知ってる!見えない所でお前は頑張っているんだよ!」
 

身じろぎもせずトムさんは、テーブルの一点を見つめたまま黙って聞いている。
 

トム「だいたい何だよ、あの上司!偉そうにあんな言い方をして。それなのにお前、よく耐えてるよ。」

あの客だって客だよ!お前に言いたいこと言いやがって。お前の気持ちも知らずにさ。

お前ホントに偉いよ!よく頑張ってるよ、さすがだよ!!

誰が何て言ったってオレはお前の味方だからな!いつも一緒にいるからな」


「聞いていて、今どんな気持ちですか?」静かにゆっくりとゆずが聞いた。
 

少しの間があって、トムさんは答えた。

「何か・・・変な感じです。 そんな事、言われたこともないし、それに自分も・・・」

心なしか彼の声がかすれて聞こえる。


「怒りや屈辱感を自分の中にため込んでおいてはいけません。

でも外に出すとリスクも伴うから一番良いのは自分との対話の中で吐き出してしまう事なんです。

心の中の自分が言いたくても言えない本音を、トムさんがあえて口に出してあげると心が楽になるんです」

「言わば、心のデトックスかな」


尚も彼にやさしく言い聞かせるように2人は続ける。

「尊厳・・・自分を解ってあげる、時には『お前は良くやってる』と説得する・・・

自分を大切に敬うことは、最高の自分を手に入れるためにとっても大切なんです」


「ご褒美をあげることも大切ですよ」

「ご褒美?」呆気にとられた様子でトムさんが聞いた。

「そう。例えば・・・」

「今日もヒドかったよなぁ、なのにお前さすがだよ!よく耐えてさ。

だから今日は帰りにコンビニに寄ろうぜ。何か1つご褒美に買おうぜ。何にする?」

「こんな感じかな?私たちも実は時々やっているんですよ(笑)」

初めて彼の顔に笑みが広がった。
 

「でも、そんなことをやっていて自分は変われるのかな?

自分のダメなところは正直いっぱいあるし、直すためにはどうなのかな?って」 

「実はその通りなの。自分の性格を直すのもコミュニケーションを磨くのも、

いくら味方トークを続けたって劇的な変化は望めないわよね。

自分を変えるには地道な努力や多くの時間が必要だもの。」

「でもね、心が傷ついてたり疲れていたら自分を変えるエネルギーは出せる?頑張る力は出ないでしょ?

だからこそ、まずは自分に愛のエネルギーを注がなきゃいけないの」・・

私たちは必至に彼を説得する。
 

「人間ってね、自分をたくさん愛してあげると・・・」

「自分を誰よりも理解して信頼することが出来ると、どんな人でも内側からすっくと立ち上がる日が来るの。

『自分の未来のために、夢のために努力をして頑張りたい!』歩き出さずにはいられないように出来てるの」

「そうなったら次の段階に進むのよ」

「次の段階?」興味深そうにトムさんが聞いた。
 

「ええ。マジカルダイアログを終えて、今度は実践的なスキルを磨くの」

「そう、トムさんの場合なら、効果的なコミュニケーション術とか、

人に言いたいことを上手に効果的に伝える表現方法とかね」

「へぇ、そんなのがあるんですか?」彼は目を丸くして笑った。


そう、だからこそ今は、トムさんの気持ちを解ってあげて欲しいの。

自分の事だから私たちよりも誰よりも、あなたが一番解ってあげられる筈でしょ?

「なるほど」トムさんはしみじみとした表情でうなずいた。


「だけどね」最後に大切な事を言わなきゃ!とゆずとあずの顔が引き締まる。

「トムさん、今の心の調子はどうなんですか?会社に行くのはとても苦しい?」

「いえ、最近は吐き気も収まっています」

「でも絶対に無理はしないで下さい。

トムさんのことはトムさんが一番知っている筈!責任もあるんですから、

また苦しくなったり吐き気がしたら、どうぞ病院にいらして下さいね、今は良く効く薬もありますから。

そして、仕事を辞める決断は、いつでもトムさんが出来るのですからね」


トムさんは大きくうなずくと、しっかりとした口調で言った。

「はい。辞めるのはいつでも出来るし、自分で決めていいということですよね。

味方トークも面白そうなので、自分の部屋でやってみようと思います。

人に聞かれたら変なヤツだと思われるでしょうから」

そういうと、トムさんはクスッと笑った。


「あのぉ・・・自分との対話をして少し落ち着いたら、また来てもいいですか?

自分の苦手なところを克服する方法があるなら知りたいんです」トムさんが真剣な顔をして言った。

「もちろんです!是非いらして下さい。

カッコいいトムさんを見せて上司や先輩を驚かせてやりましょうよ」

私たちが少しだけ鼻息荒く言ったので、トムさんは思わずニッコリとした。
 

晴れ晴れとした優しそうなトムさんの笑顔・・・ステキだなと密かに思った。


danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

⑥ミリさんの☆☆を取り戻すマジカルダイアログ

ドアを開けると、肩までの髪を少し茶色に染めた若い女性が無表情に立っていた。

「どうぞ。」と声をかけると、弱々しく微笑みながら部屋に入ってきた。

 

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今日のお客様 

・シャイニングネーム  『ミリ』 さん  

・年齢  25歳  ・ 女性  ・アルバイト

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少しモジモジしながら、ためらいがちにミリさんは口を開いた。

「あの・・・・・わたし・・・・このままでいいのかなと思って。

というか、変わりたいって思って・・・・・

それで ネットで偶然こちらのホームページを見つけたんです。

私も変われるのかもしれないって思って。」

「まあ、有難うございます。じゃあ、ここに来るまで勇気がいたでしょ。」

とニッコリ微笑みながらあずが聞いた。

「ミリさんは、何を変えたいんですか?」

 

緊張した面持ちでミリさんは、語り始めた。

「私、この年でアルバイトですし・・・

親と一緒に住んでいるので生活費とかはいらないんですけど、

旅行したり、買い物をするための費用をアルバイトで稼いでいるんです…

この年でお小遣いはもらえないので。

でも、普通の25歳って、高校を出たら7年・大学を出たら3年も働いているんですよね。

一人でしっかり生活出来たり、結婚している人もいたりするし…

私って普通じゃないよなあ~と思って。でも、どうしたら良いかは わからないんです。」

「ミリさんのおっしゃる普通って何を基準にしているのかしら?」とゆずも優しく語りかける。

 

「え~と・・・・

例えば 従兄弟たちに親戚の集まりで会うと 皆 きちんと就職して一人暮らしをしていたり、

結婚して子供がいる人もいたりして・・・幸せそうなんです。

近所の人や何処を見てもそんな感じがするし…

旅行なんかにいっても、必ず何のお仕事をしているんですか?って聞かれるし・・・」

「普通になりたいの?」とゆずが質問する。

「だって、私なんか高校も通信制だし、その後専門に行ったんだけれど途中でやめて、

今は、昔ちょっとアルバイトしたことのあるケーキ屋さんで又アルバイトしているんです。

なんか・・・・・・・・いやだなあって思って・・・・・・・」

「今までの自分の生き方が好きじゃないって思っちゃうのね。」

とあずがミリさんの気持ちを確認した。

「だって、どうして通信制の高校に行ったかというと 最初は普通高校に入学したんです・・・

でも、どうしても自分に合わなくてすぐにやめちゃったんです。

そしたら、パ・・

父が『こんな高校があるけどどうか?』としつこく勧めるので仕方なく行ったんです。

父も母も私が途中で高校をやめるのはイヤだろうし…」

ゆっくりと、ゆずが言った。

「周りの目やご両親の期待がわかるからミリさんは苦しくなってしまうのね。」

少し涙ぐみながらミリさんはこう言った。

「こんな私・自分でも嫌なんです。」

 

~ゆず&あず テレパシートーク (心の中での会話)~

ゆず「ミリさん、何かを一人でず~っと苦しんできたのね。」

あず「もう限界なのかもしれないわ。」

ゆず「けなげよね。話しを聞いていると胸が苦しくなってくるわ。」

あず「私も…ただただ抱きしめてくなるわね。」

ゆず「私達二人だけが味方じゃなく、もう一人のミリさんにも助けてもらいましょう。」

あず「そうね。いつも傍にいる味方をつくらなくちゃ。」

ゆず「そうそう!そうすれば、変わるわよねえ~ミリさん。」

あず「ホント!!楽しみだわ。」

 

※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※

「突然だけれど・・ミリさんhappy01 ここで問題です。自分の良いところを10個言ってみて。」

とあずがいたずらっぽく言った。

「・・う~ん・・・・」

「難しい質問だったかしら?」とゆずも続けて言う。 「じゃあ、悪いところは?」

少し考えてから、こんなにあるのかと感心するほどネガティブな言葉が出てきた。

「優柔不断 飽きっぽい 中途半端 怠惰 好き嫌いが多い 可愛げがない…」

まだまだ言い募ろうとするミリさんをあずが遮った。

「はい!ストップ!随分自分へのダメだしはよどみなくでてくるのね。

ちょっぴり感心しちゃったわ。それだけ自分のことをよく見ているってことよ。

見張っているというのかな。」

「そうね。でも それじゃあ、あまりにミリさんが可哀そう。

ミリさん応援団のゆずママ&あずママとしては抗議したいわ。」とゆずも言葉をはさむ。

「えっ・・・・・・」と不思議そうなミリさん。

「私達、お客さまの母親になることにしているの。

どんなに年上の人にも、ゆずママ&あずママなの。

ご予約のメールを頂いた時から私達はミリさんには内緒でママになっているのよ。」

とあずが説明をする。それを聞いたミリさんの顔にフッと笑みが浮かんだ。

 

「抗議だけしていても本意ではないので…

私達がミリさんの言った悪いところ・短所がどんなに間違った見方をしているのか

解説させてもらおうかしらhappy01」とゆずが乗り出した。

「優柔不断というのは、決めたことをひるがえして なかなか決定出来ないという感じよね。

でも、ミリさんは学校を辞めると決めたけれど、両親の期待を感じるから違う学校へ変わった

のね。これは、ご両親に対する優しさというのよ。」

そして、あずも続ける。

「何を見て飽きっぽいと思ったのかしら?ミリさんは飽きっぽい人ではないわ。

飽きっぽい人は、通信制の学校なんて通いきれないわよ。

卒業するのは大変だってよく聞くもの。」

「色々なことに興味を持つ好奇心旺盛なことを飽きっぽいと勘違いしているのかしら?」

「好き嫌いが激しいというのも、自分の価値観やポリシーをきちんと持っているということ。」

「怠惰?やりたいことの為にはアルバイトもしているのに。」

「可愛げがないなんて失礼な!自分の意志や主張がはっきりとしているってことでしょ。」

と ゆず&あずは交互に説明する。

ミリさんは、眼をまあるくしてじ~っと二人をみつめている。

そして、みるみる内に涙が溢れだした。ユックリと話しだす。

「私、沢山欠点がある自分がイヤだったのに、いつも自分がダメなんだって思っていて、

全部自分がだらしないからこんなことになったんだって。」

と一呼吸おいて ミリさんは続けた。

「でも、みんな長所だったなんて、私信じられない…」

 

「みんな長所だとわかったら、どんな気持ちですか?」と改めてあずが聞く。

「とても嬉しいです。生きていてもいいって感じがします。」とミリさんが明るい顔で答える。

そして ゆずがこう言った。

「まだまだ沢山の良いところがミリさんにはあるでしょ。

まずは、毎日10個自分の良いところを唱える練習をしましょう。

そのうち10個なんかじゃ足りないなんていうことになるのよ。」

あずも後に続く。

「ミリさんはさっき沢山悪いところは言えたでしょ。

それは、自分をみつめることは出来ているのよ。

これからは、そこを一歩進んで

『また、優柔不断!』って思ったら、

『まてまて、これは優しさじゃないかな?』

『ほおおら、やっぱり 又 人の期待に応えようという優しさがでてるんじゃない』

『優しいねえ~』と褒めてあげましょう。」

「今のミリさんに必要なことは自分の味方をつくることなの。

本当の気持ちを一番よく知っている自分が味方してあげることから始めてみましょう。

ミリさんは、今まで真っ先に自分から責められ、

そして最後まで手を緩めずに責め続けられていたのよ。

『よくやってきたよ。よく頑張っているよ。よく我慢したよ。』

『私はわかっているよ。私はあなたの味方だよ。いつも傍にいるよ。』

こんな言葉かけを、疲れ切って縮こまっているもう一人のミリさんにしてあげて。

自分の味方になることが出来たらあなたは変わるはずよ。」

 

「そうそう、それにもう一つ!普通じゃないってミリさんは悩んでいたけれど、

その経験があなたの長所を また 増やすことになるわよ。楽しみね。」

とゆずが付け足した。

 

ミリさんは、最初に部屋に入ってきた時とは別人のような自信に満ちた顔になってこう言った。

「わかりました。私 今日から自分のいいところを沢山発見します。自分のために。」

 

自分を責めるようになるには、それなりの原因がある。

でも 過去のことや、ましてや他人から受けたことを 今更変えることは出来ない。

ミリさんのように自分を変えることしか 私達には出来ないのだ。

『どうか、ミリさんが自分の一番の味方になってくれますように。』と二人で後ろ姿を見送った。

 

danger この物語はフィクションであり、登場人物も含めて、全て実在するものではありません。

⑤ペンタさんの☆☆を取り戻すマジカルダイアログ

「どうぞ」と声をかけると部屋に入って来たのは、中肉中背、20代後半ぐらいの青年だった。

ニコっと笑う顔が好印象で爽やかだ。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム 『ペンタ』 さん

・年齢30歳  ・男性  ・未婚  ・失業中

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「ボク…今失業中なんです」

最初、下を向いて少し躊躇している様子の彼だったが、意を決したように顔を上げるとそう告げた。

ペンタさんの訴えたい事がまだ分からないので、私たちはしばらく彼の話に耳を傾けることにした。


「今の仕事は小さな会社の営業だったんですが、不景気のあおりを受けて倒産しちゃって・・・」

私たちが黙って頷くとペンタさんは話を続けた。

「ま、ホントに働きたい職種でもなかったから別にいいんですが・・・

ボク、今まで色んな仕事をして来たんです。コンビニとかソバ屋とか・・・ゲーセンもあったなぁ」

彼は遠い目をして寂しく笑った。
 

「ボク長男なんですが、父親が昔からボクにうるさくて全然理解してくれないし、

高校の時なんか言う事を聞かなかったり勉強をしないからと3度も携帯を折られたんですよ。

そんな事が続くうち、親父の喜ぶ事はしたくない!とボクも意地になってしまって・・・

親父の望みは大学進学でしたから、全く勉強するのを止めてしまったんです。で、結局ボクは家も出て」


「そうでしたか・・・ペンタさんはご自分の道を貫かれたんですね」とゆずが言うと、

「でもそれは結局、自分の逃げだったんじゃないかと・・・」

「大学へ行かなかったのは、親への反発を隠れ蓑にして勉強から逃げていたからだと?」

「はい。大学進学は別にどうでもいいんです。ただ、ボクがあの時親父に反発して勉強から逃げなければ、

今頃もっと自分に自信が持てたのかな?って」

「ペンタさんはご自分に自信がないんですか?」ゆずのとなりであずが聞いた。

「自信なんて全くないですよ。自分のこと情けない奴だと思っているし、

何をやっても長く続かないし、自分のこと甘やかしてきた自分・・・キライです」


「ペンタさんは学生時代、部活とかやってました?」突然、ゆずは別の事を聞いた。

「はい、中学から6年間剣道をやっていました。現在、剣道二段です」

「それはすごい!」私たちは同時に言って笑った。

「あとは?何か趣味みたいなものはありました?」

「う~ん別に・・・ テレビゲームぐらいかな?よく夢中になってやっていて親父に怒られたなぁ」

ペンタさんは昔を懐かしむように微笑んだ。

  

~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「ペンタさん、自分に自信がないんだって」

あず「うん、でも何をやっても長続きしないっていうのは違うわよね」

ゆず「そうよ!6年間も剣道を続けて、しかも二段まで取っているんだもの」

あず「自分は忘れているみたいだけど結構頑張り屋で努力家よねぇ」

ゆず「TVゲームだってそうよね、夢中になれれば続く人なのよ」

あず「それに親に反抗して言いなりにならなかったんだから良くも悪くも信念を貫く人でもあるわ」

ゆず「そう!今度は自分の希望に向かって信念を貫けば、きっと素晴らしい事になっちゃうわよ」

あず「それにはまず自分への信頼を取り戻さないとならないわね」

ゆず「問題は、どうやって『努力家で頑張り屋』も彼の一面なんだという事を分からせるかよね」

あず「自分への信頼を取り戻せば、彼なら道を切り開ける力を発揮できる筈だものね」



※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※

 

あずが言った。

「もし時間を巻き戻せるならば、ペンタさんはいつの時代からどんな事をしたいですか?」

「ボク・・・高校時代に戻って、親父のために反抗するんじゃなくって自分のために必要な努力をしたいかな?

本当はボク、教員になりたかったんです。部活で剣道を教えたりして・・・」

「『自分のために努力をする・・・』素晴らしい言葉ですね」しみじみとした口調であずが言った。


「ボク…出来ますかね?」突然ペンタさんは顔を上げて私たちを見た。

ゆずはゆっくりと頷くとニッコリ笑って彼に言った。

「あなたは変われると思いますよ。でもその前に自分への信頼を取り戻さなきゃ」

「信頼?・・・自分への?」

「そう。それには、まず悪い面だけじゃなく良い面もキチンと知った上で自分を受け止める」

ゆずにあずも続く。

「そうすれば自分を信頼出来るようになるの。

例えば、親に反抗してまで教員になる夢をあきらめたペンタさんは、実はとっても意志の強い人」

「いや、でもそれは間違ったやり方だったから、ボクは・・・」

「ううん、例え違った方向でも意志自体は貫いたわけでしょ?

だったら自分のためにその力を使うなら、もっと意志を貫けると思わない?」

「あ!確かに」彼の目が大きくなった。


「まだあるわよ」今度はゆずが楽しげにあずと顔を見合わせると後を引き継いだ。

「テレビゲームだってそう」

「??」かれは不思議そうにゆずの顔を見た。

「テレビゲームを長く遊ぶとお父さんによく怒られたと言ってたけど、それって言い換えると、

ペンタさんって、好きな事や興味のある事なら集中出来るっていう事よね」

「だって、それは遊びだから」

「ううん、遊びならどんなものでも集中出来るとは限らないでしょ?好きじゃない遊びは続かないと思うわ」

「あ、そう言えば・・・」

「でしょ!遊びだから勉強だからという区分けはしないで

『良くも悪くもボクは好きなものには集中出来るんだ』と認める事が大切なの。

剣道だって長い間頑張ったでしょ」

「あ、はい」

「ペンタさん、心の中で自分にダメ出ししてない?」

「いつもしてます。自分に腹立ててるから…」


私たちは口を揃えて言った。

「それはダメよ、逆効果。今日から止めましょ!私たちはダメ出しを続けられると良くなることは出来ないの。

最後には自暴自棄になるか、あきらめるか、体も心も動けなくなってしまうのよ」

「・・・ ・・・」

「まずは自分の頑張って来た部分を認めてあげるの。

ペンタさんの場合なら、『剣道にも親父に反抗するときも、いつもお前なりに頑張ってきたよな』とか。

『何があっても仕事を見つけて働いてきたお前は “やるときはやる奴” じゃん』とかね」

「なるほどなぁ。今まで考えたこともなかった」と彼は面白そうに笑った。


「一人の時に、声に出して自分に言うのが効果的なの。

『何があってもオレはお前を見捨てないからな』とも言ってあげて欲しいなぁ」

ペンタさんは黙って頷きながら聞いている。


少しの間があって彼が口を開いた。

「今度の倒産も・・・意味があったのかも。

こんな事があったからボクは変わりたいとも思ったし、それに、ここにも来たし・・・」

最後は、自分に言い聞かせるようにつぶやいたペンタさんだった。


☆・・・☆・・・☆・・・☆

ペンタさん、本当は今が一番辛い時期だと思う。

今度は安定した仕事につきたいだろうし、何より充実感を味わう人生を手に入れたいだろう。

でも、だからこそ、今踏み止まって自分と向き合って欲しい。自分を認め愛してあげて欲しい。

その思いが彼の中のもう一人の自分に届いたとき、

内側から強い自分が立ち上がって歩き出すのを私たちは知っているから・・・


「変容したペンタさんの姿が見たいわね」と話しながら私たちも部屋を後にした。


danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません

④サニーさんの☆☆を取り戻すマジカル・ダイアログ

ドアを開けると、ショートカットの真面目そうな女性が外で静かに待っていた。

第一印象は、どんなことにも動じないクールな女性というイメージだ。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム 『サニー』さん

・年齢 42歳   ・女性   ・既婚   ・専業主婦

 

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「こんなこと言うのも恥ずかしいんですが…、でも、もうどうしようもなくて…

でも、あまりにくだらないし…」

そんなサニーさんに優しく微笑みながら、ゆずはこう言った。

「どんな悩みだってくだらないとか、恥ずかしいなんてことはないですよ。

その人にとっては、とても苦しくて大変なことなんです。どうなさいましたか?」

 

それでも、まだ少しためらいながら 話し始めた。

「実は、今 毎日苦痛に思っていることがあるんです…

近所に母が一人で暮らしているんですが、毎晩9時頃に電話してくるんです。

『もう、寝るからおやすみなさいって言おうと思って。』と。

その頃に電話が鳴ると・・・ぞ~っとしてしまって。  酷い娘でしょ・・・

母は身体の具合も悪く、目もあまり良くないので、一日おきに様子を見に行っているんです。

だから、そんなに話すこともなくて・・・

私は、夜の9時といっても主人はまだ帰っていなくて、勿論夕飯もまだですし、

子供たちとバタバタしていて忙しいってこともありますし・・・

言い訳です・・・   とにかくそんな風に思わないようになるにはどうしたらいいのでしょう。」

苦しそうに俯いている。

 

ゆっくりとあずが話し始める。

「今のお話を伺っているだけで、

サニーさんは 随分お母様の面倒をよくみていらっしゃるんですね。

かなり良くやっていらっしゃいますよね。

一日おきにお家を尋ねるなんてなかなか出来ないわ。

ご自分の家のことだってあるでしょ。

それに他の用事だってあるでしょうし。

第一自分の休む時間はとれているんですか?」

 

「えっ! 自分の休む時間?そんなものは皆ないんじゃないですか…私、専業主婦ですし…

それに大して面倒をみている訳でもないんです。基本的には一人で出来るので。」

 

「お一人で出来るのなら、なおさら一日おきに行くだけでも、優しくていい娘さんですね。」

「一生懸命やり過ぎて疲れちゃったのね。」とゆず。

 

「どうして、電話がかかってくると、ぞ~っとするんだと思いますか?」

「私の根性が悪いからです。」

「違いますっ!!」とゆず&あずが二人で声を揃えて言いきった。

 

~ゆず&あずテレパシートーク (心の中での会話)~

あず「サニーさんは、他人の為に一生懸命尽くすタイプなのね。」

ゆず「きっと良く気がきく人なのね。周りの人は助かるタイプだわ。」

あず「すごく素敵な人ね。」

ゆず「そう!そう!チョッピリ疲れただけよ。」

あず「サニーさんは、素敵な人なんだと自覚をうながしましょう。」

ゆず「自分のことも大事にしてもらってね。」

 
※ ・ ・ ・※ ・ ・ ・ ※ ・ ・ ・ ※

 

「根性の悪い人が、自分の休む時間もとらずに面倒を見てあげるなんてことはありません!

サニーさんは、お母様が『お休みなさい。』と言うだけで電話をかけてくるんじゃなくて、

何か他に言いたいことがあるんじゃないかと考えたりしていませんか?」とゆず。

続けてあずも言う。

「本当は夜淋しいんじゃないかしら?とか、自分から電話をしてあげられなかった!とか、

色々考えるんじゃないですか?」

「そんなこと思っていたのでしょうか?よくわかりません…

ただ、毎日の電話にぞ~っとしている自分に呆れていたんです。酷い娘だなあって。 

一人娘なのに…」とサニーさんは尚も続ける。

「そう言えば、声を聞くとイライラっとして…ということもあります。」

 

そんなサニーさんを優しく見つめながら、ゆずはこんな風に話しだした。

「サニーさんのお母様は、介護とまではまだいかないのでしょうけれど…

でも、いつも世話をやいてくれていたり、心配をしてくれていた母親が弱っていったり、

自分との立場が逆転してしまうのは複雑な気分ですよね。」

「そんな思いの中で、サニーさんの場合 お母様がより気持ちよく暮らすことが出来るように

何をすれば助けることができるだろうかと思いながら精一杯やっているのに…」とあずも言う。

「でも、出来ないんです!」 と重ねるようにサニーさんが言う。

「だから、電話があるたびに母から責められているような気がするんです。」

 

「そうですね。だから、一日の終わりに電話があると気が重くなりますよね。」

 

ゆずが質問する。

「では、想像してください。

サニーさんではなく、あずが一日おきにお母様のところに世話をしに行き、

もちろんその間に自分の家の事もして、ご近所のお付き合いやこどもの学校の用事も済ませ、

夕飯を食べて一息ついた時に電話がなり、それにも応えているとしたら…

サニーさんは、そんなあずさんのことをどう思いますか?」

「よくやっているなあと感心します。」と心からサニーさんが答える。

 

「それをやっているのは、私ではなく、サニーさん・あなたなんですよ。」

納得したようにサニーさんが言う。 

 「私、よくやっていますね。」

 

「でしょう。 立派な人でしょ。 素敵でしょ。 優しいでしょ。」とゆずがニコニコと話す。

「私達こういう人大好きだわ。」

サニーさんは、「いやあ、そんなあ…」と恥ずかしそうに微笑んだ。

「だってサニーさんだって感心したでしょ。  偉いでしょ。  あなたは、そういう人なのよ。

『いやあ、そんなあ』じゃなくて、堂々ど『ありがとう』と言うところだわ。」と偉そうにあずが言う。

嬉しそうに小声で「ありがとうございます。」と言うサニーさん。

 

「私達がわかっているのに、サニーさんはわかっていなかったんですもの。

分かってくれて嬉しいわ。ありがとう。」

「これからは、もっと沢山ご自分のことを褒めてあげてください。

出来ないことばかり数えないで、褒める事をいっぱい探してあげましょうね。」

「あなたが一番の味方になってあげてください。」

『よくやっているよ。』 『分かるよ。』 『素敵な人だね。』 『頑張っているね。』

『あなたのことが好きだよ。』 『どんなことがあってもあなたの味方だよ。』

「こんな言葉かけを沢山してあげて下さい。」

「これが、マジカル・ダイアログです。」

(詳しくは第1回の『ひまわりさんの☆☆を取り戻すマジカル・ダイアログ』をご覧ください。)

 

「こんな事は誰でもやっていることよ!とか、娘なんだから当たり前!なんて思い始めたら…」

「マジカル・ダイアログです!」

「分かりました。」とニッコリサニーさんは頷いた。

 

微笑みが出てきたところで、あずは きり出した。

「さて、そこで

サニーさんはどうしたらそんな風に思わなくて済むのか教えて欲しいとのことでしたよね」

「はい、そうでした。」

とまるで忘れていたというように余裕の表情でコチラを真っすぐ見つめながら答えた。

「でも、思ってしまうのだから無理ですよね。」といたずらっぽく首をかしげる。

 

「全然思わなくなる方法なんてありません。だって人間には感情があるものなんですから。」

とゆずが話す。

「だけど、先程もお話ししたように、

サニーさんはは一生懸命やり過ぎて疲れてしまっただけなんです。

それは、わかったでしょ。

だから、イラっとしたり、ぞ~っとしたりしたんです。だったら、その疲れを予防しましょう。」

 

「予防?」 とサニーさんは不思議そうな顔をする。

「そう!予防です。」と今度はあずが話し始める。

「疲れないようにするのです。」

「基本的には、一人でなんでもお出来になるお母様なのでしょう。

一日行くのをやめてみるとか、夜9時の電話には一回だけ出てみないとか。」

「そうですね…」と不安げなサニーさん。

「気になっちゃうでしょ。でも一度だけ是非やってみて。

あなたのその不安も優しさからきているのだから。

居留守を使って悪かったなあと思えば、次に会う時や電話に出る時には

前にも増して優しい気持ちになれるんですよ。」

「やり慣れないことをする時は、居心地が悪いものなんですよ。

でも、疲れ切ったサニーさんを助けるためには是非これをやって欲しいのです。」

 

「は、はい。」とためらいがちに返事をするサニーさん。

「サニーさんが自分の時間を削って我慢しているのだから、

少しだけお母様にも我慢してもらいましょうよ。」

 

「何か心配ですか?」とゆずが聞く。

「あの~そんなことをしたら私、『もう2度と母のところへ行くのを止めた』とか思わないですか?」

ゆずは、ニッコリほほ笑みながら答えた。

「そんなことは絶対ありません。じゃあ、サニーさん ご自分の心に聞いてみてください。

これもマジカル・ダイアログです。『あなた、そんなことしたら2度と行かないと思う?』って。」

 

「どうですか?」とあずが聞く。

「『そんなこと思えないでしょ、あなたは』って…言ってます。」とサニーさん。

「そういう方です。サニーさんは!」ゆず&あずは声を揃えて言った。

 

「心の中で『居留守使っちゃってゴメンネ。』って謝れば、『心の中で』ですよ。

翌日お母様のところへ行ったり、電話をしたりすると、言葉や行動に変化がおきますよ。」

「悪かったなと思って優しくできたり、笑顔が増えたり。

そうすれば、あなたもお母様も嬉しいでしょ。」

「1日が2日になって上手に息を抜けるようになれば、

どんな風にお母様を助ければよいのかわかってくるのではないのでしょうか。」

ゆず&あずは交互に説明した。

サニーさんは、納得の表情でこう言った。

「なるほど!私、行かないとか、電話に出ないとかいう選択肢はありませんでした。

そうか。自分を大切にしないと他人も大切に出来なくなるんですね。」

 

「スゴイ!!いいことに気付きましたね。」とゆず&あずが二人で拍手をした。

嬉しそうに「そうですか?」と私達を見つめたサニーさんの顔が明るい表情になっていた。

 

サニーさんは他人の期待に応えようと一生懸命に働く人で、

彼女の周囲の人達はどんなにか幸せだろう。

元気を取り戻せば、太陽のような存在になれる人なのだと私達は確信した。

 

dangerこの物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません。

③ブバリアさんの☆☆を取り戻すマジカルダイアログ

ドアを開けると入って来たのは、身のこなしも軽やかな笑顔の可愛い20代前半の女性だった。

こちらの目を真っ直ぐに見て話す、そんなしっかりとした彼女にどんな問題があるのだろう?

そんなことを思わせられるような第一印象だった。

 

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~今日のお客様~

・シャイニングネーム 『ブバリア』 さん

・年齢24歳  ・女性  ・未婚  ・ピアノ講師

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 「私、最近何だか疲れやすくなったような気がして…」 ブバリアさんは唐突に話し始めた。
 

「私、今まで1度も人のいる所では座ったことがない気がして… あ、心の中でですけど」

そう言うと、恥ずかしそうにうつむいた。

「誰の前でもブバリアさんは心を許して安心して寛いだことがないってこと?」

彼女を見つめゆずがそう言うと、軽くうなずいて彼女は続けた。

「だって、もし私がちょっと気をゆるめちゃって、

そのために誰かを知らずに傷つけてしまったら、そう考えると怖いんです」

「ああ、だからいつも自分を見張っているために立っているんだ」

「はい。そんなことになったら私… 自分を許せないと思う…」

ブバリアさんは自分に言い聞かせるように小さな声でつぶやいた。


「傷つけないためには今のまま頑張って行くべきだけど、でも心は疲れて来ちゃった… 辛いでしょうね」

横であずが労わるような表情で語りかけた。

「はい… でも自分じゃどうしてよいか分からなくて…」


「私、何だかブバリアさんってご自分に厳し過ぎるように感じるんだけど?」

そう言ってゆずがあずの方を向くと、あずもうなずきながら彼女を見ている。

「でも、見張っていないと私ってダメなんです!」彼女の表情がスッと強張った。
 

「あとはどんな戒律をご自分に課してるの?」

茶目っ気タップリにゆずが彼女に問いかけると、彼女も笑いながら、

「え~と、人の気持ちを分かってあげる?人を批判するときは自分はどうなのかを良く考えて、それから・・・」

出て来る出て来る・・・ 正直、私たちも驚きながら彼女の話を聞いていた。

 

~ゆず&あずテレパシートーク(心の中での会話)~

ゆず「何だか修行僧みたいね」

あず「ホントね。辛いだろうなブバリアさん…」

ゆず「そうよね!でも彼女って心底いい人なのね。人をあんなに大切に思う人っていないもの」

あず「でも、そんな心根の美しさに本人が気づいていないってところがねぇ」

ゆず「それどころか、まだ足りない!ってオモリを増そうとしてる(笑)(笑)」

あず「まずは、SOSを訴えて来てる心の中のブバリアさんを解放するところからかしらね」

ゆず「そうしたら変わるわよぉブバリアさん!」

あず「人だけじゃなく、自分にも優しい素敵なブバリアさんを取り戻したいものね!」



※ ・・・ ※ ・・・ ※ ・・・ ※

ゆずが言った。

「ねぇ、あなたはいつも人を大切にって思ってるでしょ?

じゃぁ、同じぐらいブバリアさんご自身のことを大切に思って接してくれている人はいるの?」

「え?」彼女は呆気にとられたような顔でゆずを見た。

私たちが尚も黙っていると、

「・・・私・・・考えたことがありませんでした」微かに聞き取れるぐらいの声だった。

「もし誰もいないとしたら…それって不公平じゃない?」

「不公平… あぁ、そう言えば私…可哀そうかなぁ」
 

すかさず、あずが続ける。

「そう…それが疲れちゃった原因かも知れないわね」

「・・・でも私、どうしたら? 気を抜いたら人を傷つけちゃうし、それは嫌なんです!」

またブバリアさんの表情が固くなる。

人を傷つけたくない・・・彼女にとって本当に大切なことなのだろう。


「ううん、どちらも不公平にならない良い方法があるのよ。それはね、あなたがあなたの味方になってあげるの」

「私がわたしの味方??」彼女は言っている意味が分からないという顔をした。

「そう」あずは頷いて彼女に笑いかけると優しく説明し始めた。
 

「誰でも私たちの中には、もう一人のわたしが住んでいるの。

頑張れ!まだ足りない!と言い続けていると、『もう一人のわたし』が傷ついて疲れて来ちゃうの。

ブバリアさんだって、誰かにそんなことをずっと言われ続けたらどう?」

「・・・苦しくなっちゃうと思います」

「そうよね。ましてやダメ出しをしているのは自分だから24時間逃げることも出来ない…でしょ?」

「はい」

「だから、そんな辛いあなたを分かってあげてほしいの。

ブバリアさんは相手の人を大切にしたいから、気を抜くことも自分に許さないんでしょう?

だったらせめて、そんなに頑張っているあなたを分かってあげない?認めてあげましょうよ」

「・・・」 驚いたような顔をしてブバリアさんは黙ってあずを見ている。


ゆずはそんなブバリアさんに優しくうなずくとあずに加わり一緒に話し続けた。

「もう一人のブバリアさんが陰で独りで努力をしているのに誰にも分かって貰えない、

誰からも認めて貰えていない、それこそが1番の疲れた原因なんじゃないかしら?」

彼女は黙って静かにうなずいた。


「だからね、そんなときは『あなたは頑張っているよね!私は知ってるよ』っていってあげて欲しいの。

『疲れたら私の前では愚痴を言ってもいいのよ。座ってもいいんだからね』って」
 

「愚痴?座っていい?」と不思議そうな顔をしてブバリアさんがゆずに聞いた。

「そう。だってあなただけの所でなら愚痴を言ったって椅子に座ったって構わない訳でしょ?」

「例えば、人の前では今迄通りに頑張る。その代り、一人になったら『よく頑張ったわね。あなた偉かったわよ!あなたスゴイわぁ、さすがよ!』こんな感じかしら」

「あ、なるほど。一人のときになら… でもそんなこと、私言えるかなぁ…」

「じゃ今言ってみて?『あなたいつも頑張ってるね』って」

「…あなた、いつも頑張ってるよね…」

私たちは続けた。

「私は分かってるよ」って。

「…私は分かってるからね」

「私はあなたの味方だよ」って。

「・・・」 ブバリアさんの目から涙が溢れ、両手で顔を覆ってしまった。
 

しばらくして私たちは静かに沈黙をやぶった。

「今はどんな気持ちですか?」

「こんな気持ち初めてなんですけど…私の中…喜んでます」

「よかったわぁ」私たちは思わず顔を見合わせた。


そのとき急に、ゆずはシャイニングネームの『ブバリア』の意味が分かった気がした。
 

「ブバリアって花の名前でしょ?珍しい花を知っているのね?」

「はい。いつだったかその花を見た途端、あまりに可愛らしくて一目惚れしちゃったんです」

「私も前に結婚式のブーケに使われていたブバリアの花を見たことがあるの。

十字架上に広がる4枚の花びら。真っ白で小さくて可憐な花よね。南国の甘い香りがしたわ」

「そうなんです!」彼女は初めて幸せそうな笑顔を見せた。

「でもブバリアって鮮度が長く持たないんじゃなかった?あんなに白くて可愛い花びらなのに、

結構すぐに茶色く変色しちゃうのよね?」

「そうなんです」残念そうな表情でブバリアさんはうなずいた。


「私ね、本当のあなたももしかしたら同じなんじゃないかなって思ったの。

外から見ると、しっかりしてて凛々しくて…でも中身はブバリアと一緒で、どこまでも清く…

でも、放っておくとすぐに変色してしまうような繊細さを併せ持つ人…」

「そうかも知れません。私ブバリアの清らかさや繊細さに魅せられて…

でも、私も同じに扱われたかったんですね、きっと」

彼女はそう言うと、吹っ切れたように明るく笑った。


 ブバリアさんが帰った後も、私たちはしばらく彼女のことを考えていた。

慌てなくても、彼女が自分の味方になってさえいれば、

いつの日か人前でも座って寛げる日が来ることを信じながら・・・


danger この物語はフィクションであり、登場人物も含め、全て実在するものではありません。

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